「人間の二面性を出せる役は、やりがいがあった」池内博之が語る『エクスクロス』
上甲宣之原作の「そのケータイはXXで」を、『バトル・ロワイアル』シリーズを手がけた深作健太監督が映画化した『エクスクロス 魔境伝説』。同作で松下奈緒演じるヒロインの恋人役を演じた池内博之に話を聞いた。
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ズバリ! 映画の感想から聞くと「とんでもない映画が出来た。その一言です(笑)」と池内さん。
「ホラー系の作品に出たことがなかったし、深作監督との仕事もしたことがなかったので、楽しみでした。エネルギッシュで、こんなにパワーのある監督だとは(笑)。映画のテンションが高いのは、監督の熱さがそのまま出ているからです」。
「僕自身はホラーが苦手で、普段は観ないほど」と笑う彼だが、演じた役は“狂気”が潜んでいる男。物語が進むにつれ、だんだんとそれが表に出てくる。
「僕が演じた朝宮圭一という男は、一言で言えば、嫁さん探しをしている男なんです。客観的に観ると異常な行動が多くておかしく見えるけど、彼の中では正当なこと。だから、そのギャップをしっかり出すことができれば、狂気や恐怖の演技に見えるのではないかと思って演じていました」。
「最近、普通の人の役をやっていないような気がして…」と語る池内さんだが、それはどんな役でもこなせる実力派俳優であることの裏返し。朝宮という人間を演じるうえでも、分析をきちんと行なっている。
「かわいそうな男で、そう言って彼を弁護したいんですけど、最低な奴ですよね(笑)。理解はするけど、共感はしないし、友達にもしたくない。当然、自分自身とも重ならないんですけど、好きな人をモノにしたときの達成感は分かりますね。また、人間の二面性を出せる役だったので、やりがいがありました」。
劇中には、その二面性が表出する瞬間がある。その眼差しは“狂気”に満ちているが、同時に男の色気が漂っているのだ。
「いやぁ、僕自身、そんなことを言われたことはなくて、先日31歳になりましたが、20代の頃は色気のある俳優になりたいなって思っていたんですよ。男の色気を出す方法を知りたくて研究したんですけど、答えは出なかった。カッコよく生きるしかないのかなっていうのが結論ですけど、まだまだですよね(笑)」。
“カッコよく生きる”=“池内博之”で居続ける、という理屈も成り立ちそうだが、「いや、僕はいつでもこのままです。昔、松田優作さんがオンとオフは違ってたって聞いたことがありますけど、そういうのは憧れです。カッコいいなって思うけど、自分にはたぶんできないだろうなって。僕はノーマルな状態で、いろいろと日々を生きて、体験していくってことが大事なのかなあと。そうすれば、いつか色気が出る俳優になれると思います」。
俳優“池内博之”は、もうすでに大人の雰囲気を醸し出しているのだが、それに気づいていないのは本人だけなのかもしれない。その問いの答えは『エクスクロス 魔境伝説』の中に。ぜひ劇場へ確かめに行ってほしい。
《text:Takashi Tokita / photo:Yoshio Kumagai》
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