死神・金城のヘッドホンで流れていたのはユーミン? 『死神の精度』ついに完成!
ミュージックをこよなく愛する一風変わった死神・千葉と、その死神のターゲットに見初められた薄幸な女性・一恵。いつもと同じように死神としての職務を全うするはずだった千葉が、彼女のある才能に触れたことで心動かされ、少しずつ変化していくさまを描いた『Sweet Rain 死神の精度』。ベストセラー作家・伊坂幸太郎の同名小説を映画化した本作が3月22日(土)より公開される。1月27日(日)に主演の金城武と小西真奈美を始め、富司純子、そして筧昌也監督が出席しての完成報告記者会見が開かれた。
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6年ぶりとなる日本映画への出演となった金城さん。撮影中のエピソードについて尋ねられると「千葉が地上に現れるときは必ず雨が降るという設定で、それもあって撮影は5月から7月にかけて行われたんですが、あいにく雨があまり降ってくれなかったんです。一応、雨を降らせる機材の準備はありまして、現場に行ってみてダメだったら、すぐにスタッフの方が雨を降らせる仕込みを始めるという感じでした。雨の準備ができるのを待っていたのが一番印象に残っています」と語ってくれた。これに対し小西さんは「私は晴れ女で、自分が関わる撮影の日はほとんど晴れるんです。現場に行くたびに申し訳ないな、と思いながら、こんなにも雨を願って撮影するのは初めてでした」と笑いつつも「どうしても降らないときに、スタッフさんが降らせた雨で撮影したことは何度もありましたが、その雨が劇中でとても印象的に描かれていて、素晴らしいシーンが撮れたと思っています」と、現場のスタッフを称えた。千葉は、ミュージック好きの死神ということで、ヘッドフォンをしてのシーンもあるが、金城さんはこのときどんな音楽を聴いていたか聞いてみると「実際の撮影のときは音が漏れてしまうので消しているんですが、テストのときにはシーンの時代に合わせた80年代から90年代初頭の音楽が流れていたんです」とのこと。監督によると「荒井由実とか尾崎豊とかですね。千葉はジャンルに関わらず何でも好きという設定なので、芝居のノリに合わせて用意しました」と説明。金城さんは「細かい部分まで気を遣ってものを作る、こうしたところが日本映画の素晴らしいところだと思います」と感激した様子だった。
美容師のかずえに扮した富司さんも「ロケの前日にセットの下見に行ったのですが、美容院のセットが本当に素晴らしくて、見えない後ろの部分まで細かく作ってあるんですね。これを見て、素晴らしいスタッフが集合して、良い映画になりそうだと感じました」とスタッフの仕事ぶりを絶賛。自身の美容師としての役作りについては「美容学校でカットとシャンプーを教わったんですが、一度くらいではとても出来ないので、行きつけの六本木のお店に何度も通いました。親指しか動かしちゃいけないとか、指の角度もピシッと決めて、タンゴを踊るような格好でハサミを入れていくのがかっこいいとか教わりました。腱鞘炎になるほど練習しましたけど、それが画面に出ていれば嬉しいです」と充実した表情を見せた。
小西さんは、金城さんとの芝居について「一恵と千葉が初めて出会って会話を交わすというシーンが、私と金城さんの初めての撮影だったんです。このシーンは、2人が微妙に噛み合わないのがクスッと笑えて面白いと思うんですが、最初に言葉を発したときに、絶妙な具合で2人が噛み合っていなくて(笑)、これはきっと良い作品になると感じました。それ以降も金城さんが現場でいろんなアイディアを出してくださって、例えばコインランドリーのシーンなど、楽しみながら一緒に作らせていただきました」とふり返った。一方の金城さんは「このコインランドリーのシーンについては、僕のアイディアは見事に使われなくて…」と苦笑い。本作で初めて長編映画のメガホンを取った筧監督は「脚本に対する、3人のキャラクター作りの深さに日々、感動していました」と、俳優陣を手放しで称えた。
最後に、映画のストーリーにちなんで、もし自分の寿命があと7日間だと知ったらどうする? と聞いてみると、まず富司さんは「あるがままのいまの毎日が幸せだから、特別なことをしようとは思わないですね。金城さんのような素敵な死神が来てくれればいつでもウェルカムです(笑)」。小西さんは「仕事の仲間や友達、家族のところに、手土産を持ってお礼参りでもしようかと思います」とのこと。金城さんは「正直、いまは映画の撮影に入ってるんで困りますね…。死神と交渉してみて、それでもダメならとりあえず映画の関係者に代役を早く探すように、と伝えます。それから残った時間は友達と食事をしたり、親元に帰って、ゴロゴロしてるかな…」だそうだ。
『Sweet Rain 死神の精度』は3月22日(土)より丸の内プラゼールほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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