伝説のヴォーカリストに扮したサム・ライリー「彼らしい声で歌える自信はあったよ」
人気絶頂のバンド「ジョイ・ディビジョン」のヴォーカリストとして称賛を浴びながら、23歳で夭逝したミュージシャン、イアン・カーティス。1980年5月18日、全米ツアー出発の朝、なぜ彼は自らの手で人生の幕を下ろしたのか——? 映画『コントロール』はイアンの妻・デボラによる手記を基に、生前の彼と親交があった世界的なロックフォトグラファー、アントン・コービンが儚くも美しい彼の生涯を描いた作品。本作でイアンに扮し、その演技が各国の映画祭でも絶賛されたサム・ライリーに話を聞いた。
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オーディションの末にイアン役を勝ちとったサムだが、自分が選ばれるとは思っていなかった。
「合格することを祈ってたけど、インターネットでは有名な俳優の名がイアン役に取りざたされていた。だから選ばれたと聞いて正直驚いたよ。無名だったのがかえって良かったみたいだね。実は結果を知った1月8日は僕の誕生日だったんだ。僕にとっては最高のプレゼントになったよ」。
撮影は、イアンが生活を送り、そして自ら命を絶った彼の自宅でも行われた。
「寝室で衣裳を着替えたり、待ち時間にそこで睡眠を取ったりしたんだ。なんだか不思議な気分だったよ」。
本作を通じてデボラ(劇中ではサマンサ・モートンが演じている)とも知り合ったという。
「彼女は物静かで素敵な女性だった。実は『もう君を愛していない』とデボラに伝えるシーンを撮影しているときに、彼女が現場に来ているのが目に入ったんだ。僕は心の中で『まずい!』と思ったよ。でも彼女はクールで『サマンサとあなたが気の毒だわ』と言ってくれた。翌日も彼女は現場に来てくれたので、僕は『ハーイ、デビー!』って声を掛けたんだ。そしたら彼女は『ハロー、イアン』って返してくれた。そういうのって素敵だろう?」
劇中のギグ(ライブハウスでのセッション)のシーンは、サムら俳優陣によって演奏されている。
「最初はジョイ・ディビジョンのアルバムの音を使う予定だったんだ。でも観客がいるギグのシーンで丁寧に作りこまれた音楽が流れてくるのは変だろう? 2週間のリハーサルの間、ずっと僕らは彼らの曲を練習してたんだ。すぐにうまくなって最終的にはアントンが、僕が歌い、メンバーが演奏した方がよりリアルで良いって言ってくれたんだ。ほかのメンバー? バカで嫌なやつらだよ(笑)、もう慣れたけどね。ハリー(・トレッダウェイ※スティーヴン役)は“一度もドラムを叩いたことがない”って言ってたけどあれは嘘だろうな。本当にうまいんだ。ジェームズ(・アンソニー・ピアソン※バーナード役)は、ほとんど弾いたことがないのにオーディションで“ギターが弾ける”と言ってしまったので短期間でマスターしたらしいよ。ジョー(・アンダーソン※フッキー役)は本物のフッキー独特のベーススタイルをすぐに習得してたよ。僕自身はオーディションのときから、イアンらしい声で歌えると思っていたからね」。
「この映画に望む結果? ギャラが上がるといいね」——そういたずらっぽく笑うサムだが、劇中で見せるイアンの魂が乗り移ったかのような迫真の演技は本物だ。また一人、将来が楽しみな新星が現れた。
特別企画 彼らが遺してくれたものは? 20代スターたちへの手紙
http://www.cinemacafe.net/ad/control/
《シネマカフェ編集部》
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