【TIFFレポート38】韓国で話題騒然! 脱北者を扱った問題作『クロッシング』
家族のために北朝鮮を脱け出し、中国へと渡った父親と、残された息子の壮絶なドラマを描いた『クロッシング 祈りの大地』が「アジアの風」部門に出品されている。本年度のアカデミー賞外国語映画賞の韓国代表にも選出された本作を監督したのは、『火山高』、『百万長者の初恋』などの話題作を世に送り出してきたキム・テギュン。10月24日(金)、テギュン監督とプロデューサーのホン・ジヨンが出席して記者会見が行われた。
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家族のために北朝鮮を脱け出し、中国へと渡った父親と、残された息子の壮絶なドラマを描いた『クロッシング 祈りの大地』が「アジアの風」部門に出品されている。本年度のアカデミー賞外国語映画賞の韓国代表にも選出された本作を監督したのは、『火山高』、『百万長者の初恋』などの話題作を世に送り出してきたキム・テギュン。10月24日(金)、テギュン監督とプロデューサーのホン・ジヨンが出席して記者会見が行われた。
ニュースなどでも聞かれる、いわゆる“脱北者”の問題を扱った作品とあって、当初からかなり慎重に企画が進められてきたという本作。監督は「非常に微妙で、複雑な問題をはらんでいるため製作自体が非公開で進められてきました。特に、中国やモンゴルで行われた撮影のスタッフには、実際の脱北者もいましたから、彼らのためにも慎重にならざるを得なかったのです」と説明する。
こうした問題以外にも、撮影中は様々な苦労があったと監督は明かす。「砂漠での撮影ではモンゴルを拠点にしていたのですが、実際に撮影を行う砂漠は、キャンプ地から150キロ〜200キロ離れたところにあったんです。早朝、ジープに乗って目的地まで行き撮影を数時間行ってまたキャンプ地に戻ると深夜という日々が何日も続きました。加えて、俳優陣は北朝鮮の方言で演技してもらわねばならなかったのです。特に言葉というのは日々、変化していくので、ごく最近、北朝鮮から逃げてきた方々に先生となってもらいました」。
アカデミー賞の代表にも選ばれたように、公開後は非常に高い評価を得ることになった本作だが、プロデューサーのジヨンは「100万人を超える人々が劇場に足を運びました。現在、DVDの発売などについて話し合っているのですが、いまだに我々の元に、劇場での再上映を望む声が届くほどです。アカデミー賞の代表に選ばれた点については、多くの人々が本作を“いま、観るべき映画”としてとらえたこと。そして海外の方にも観てもらうべきと考えた結果ではないでしょうか」と分析した。
最後に監督は「この映画を製作しながら、この脱北者問題の実態を知り、本当に多くの涙を流しました。映画を通じてこの問題に少しでも関心を持っていただければ幸いです」と呼びかけた。
『クロッシング 祈りの大地』は2009年春、シネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開。
© 2008 TIFF
第21回東京国際映画祭特集
http://www.cinemacafe.net/fes/tiff2008/
ニュースなどでも聞かれる、いわゆる“脱北者”の問題を扱った作品とあって、当初からかなり慎重に企画が進められてきたという本作。監督は「非常に微妙で、複雑な問題をはらんでいるため製作自体が非公開で進められてきました。特に、中国やモンゴルで行われた撮影のスタッフには、実際の脱北者もいましたから、彼らのためにも慎重にならざるを得なかったのです」と説明する。
こうした問題以外にも、撮影中は様々な苦労があったと監督は明かす。「砂漠での撮影ではモンゴルを拠点にしていたのですが、実際に撮影を行う砂漠は、キャンプ地から150キロ〜200キロ離れたところにあったんです。早朝、ジープに乗って目的地まで行き撮影を数時間行ってまたキャンプ地に戻ると深夜という日々が何日も続きました。加えて、俳優陣は北朝鮮の方言で演技してもらわねばならなかったのです。特に言葉というのは日々、変化していくので、ごく最近、北朝鮮から逃げてきた方々に先生となってもらいました」。
アカデミー賞の代表にも選ばれたように、公開後は非常に高い評価を得ることになった本作だが、プロデューサーのジヨンは「100万人を超える人々が劇場に足を運びました。現在、DVDの発売などについて話し合っているのですが、いまだに我々の元に、劇場での再上映を望む声が届くほどです。アカデミー賞の代表に選ばれた点については、多くの人々が本作を“いま、観るべき映画”としてとらえたこと。そして海外の方にも観てもらうべきと考えた結果ではないでしょうか」と分析した。
最後に監督は「この映画を製作しながら、この脱北者問題の実態を知り、本当に多くの涙を流しました。映画を通じてこの問題に少しでも関心を持っていただければ幸いです」と呼びかけた。
『クロッシング 祈りの大地』は2009年春、シネカノン有楽町1丁目ほか全国にて公開。
© 2008 TIFF
第21回東京国際映画祭特集
http://www.cinemacafe.net/fes/tiff2008/
《シネマカフェ編集部》
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