「ラブストーリーは嫌い」なオダギリジョーがキム・ギドクと放つ初のラブストーリー!
韓国の鬼才がオダギリジョーとタッグ! 『サマリア』でベルリン国際映画祭の監督賞(銀熊賞)、『うつせみ』ではヴェネチア国際映画祭の監督賞(銀獅子賞)を受賞し、“三大映画祭制覇に最も近い男”と言われる韓国のキム・ギドク監督が最新作『悲夢』を携えて来日した。本作で監督は、日本国内のみならず韓国でも高い人気を誇るオダギリジョーを主演に起用。11月20日(木)に2人が揃っての記者会見が行われた。
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以前からギドク監督の作品の大ファンだったというオダギリさん。「人間のドロドロとした部分——惨めさや残忍さ、人に見せたくない部分をさらけ出し、美しく描くことが出来るのはギドク監督だけ。監督の作品を観ると『この人はどこまで本気でやってるんだ?』と感じさせられる」とその魅力を語ってくれた。夢に翻弄される男女の姿を描いた本作。出演のきっかけについては「最初にあらすじが送られてきたんです。監督のファンであると同時に、僕は昔から夢についてすごく興味があったので、すぐに出演を決めました」とのこと。実はオダギリさん、「20代の頃から“夢日記”をつけてきた」のだとか。目を覚ましてすぐに、その夜見た夢の内容をノートに書き留めるそうだが、「相当ブッ飛んでいて、よくこんなことが頭の中で起こってるな、と思います。一番笑ったのは、ノートに書き留めてあった“アもたれ”という言葉。これは“アントニオ猪木の食べ過ぎで、胃がもたれている”という意味なんです(笑)」とシュールな夢の一部を紹介してくれた。実は、ギドク監督も夢日記を書いていたことがあったそうで、まさに夢の物語を描くのにぴったりな2人が揃ったと言える。
オダギリさんはさらに、韓国で行われた撮影について「すごく楽しい現場でした。監督とは、撮影が終わると毎晩のように酒を飲んで、親友と言えるくらい仲良くなりました」と笑顔でふり返った。集まった報道陣からは、本作の撮影がオダギリさんの結婚発表の直後だったことについての質問も出たが「もう子供ではないので(笑)。遠くにいるからこそ、お互いを気遣える部分もあると思います」と落ち着いた口調で語った。
「これまでにオダギリさんの出演した『血と骨』や『ゆれる』、『メゾン・ド・ヒミコ』などを観ており、強いエネルギーを感じていました」と語るギドク監督。現場でのオダギリさんの様子について尋ねると「オダギリさんは、脚本を本当にじっくりと読み込んでいて、現場には監督が2人いるかのようでした(笑)。私が演出すると、その内容を持ってきたノートパソコンに打ち込んでいました。これまで、15本の映画を撮ってきましたが、ノートパソコンを現場に持ち込む俳優さんは初めてで、その姿勢には感動すると同時に恐怖すら感じました。自分の演出が気に入ってもらえずに、帰ってしまったらどうしようかと不安でした」と明かしてくれた。オダギリさんの相手役のキャスティングについては「これまで、私の作品は女優さんにオファーを出しても断られることが多かったのですが、オダギリさんの出演が決まった途端に、韓国のトップの女優たちから次々と『出演したい』という声が殺到しました(笑)。スタッフと相談して、イ・ナヨンを起用しましたが、オダギリさんとイ・ナヨンの2人の内面世界がぴったりと合っていたと思います」と自信をのぞかせた。オダギリさんもイ・ナヨンとの共演について「僕も彼女も人見知りするタイプ。でも、互いの距離を芝居で縮めていく作業が楽しかったです。繊細さと大胆さを備えている素敵な女優さんで、彼女を信頼して演じることが出来ました」と笑顔で語った。
「ラブストーリーは基本的に嫌い」と公言するオダギリさんが胸を張って世に送り出す、初の本格ラブストーリー『悲夢』は2009年2月初旬、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。
《シネマカフェ編集部》
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