いじめ問題に真正面から立ち向かう教師を演じた阿部寛に注目『青い鳥』
最近の阿部寛の演技がいい。映画やドラマを中心に数多くの役を演じ、すでに演技派の部類にカテゴライズされている俳優だが、一方では『自虐の詩』('07)、『チーム・バチスタの栄光』('08)といった濃いキャラのイメージが定着、演技よりもキャラ重視になりつつあった。だが、2008年は家族のとある1日を淡々と描いた『歩いても 歩いても』、吃音の臨時教師役に挑戦した『青い鳥』に出演。そこで見えてくる自然体の演技が何ともいいのだ。
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この『青い鳥』で彼が演じる村内先生は、中高生のいじめ問題に真正面からぶつかり、“本気の言葉”で子供たちと向き合おうとする教師。吃音というハンディキャップを見事に表現していることはもちろん素晴らしく、いつの間にか(映画を観ている)自分自身も東ヶ丘中学の2年1組の生徒の1人になったような…14歳の頃に立ち返る感覚を得られるのは、やはり阿部寛の演技によるところが大きいと言える。
原作は、「きみの友だち」、「その日のまえに」など立て続けに映画化されている重松清の連作短篇集「青い鳥」。幅広い年齢層をファンに持つ原作同様に、この映画も若者からかつて14歳だった大人まで──様々な年代の人の琴線に触れ、いつまでも記憶に残る人間ドラマなのである。
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