【G.W.は何を観る?】筋肉バカなブラピも捨てがたい! 愛しきおバカたちの物語
冷酷無比な殺人鬼を主人公にしたサスペンス・スリラー『ノーカントリー』で、アカデミー賞8部門ノミネート、4冠受賞という快挙を成し遂げたジョエル&イーサン・コーエン(監督・脚本・製作)。これまでにも注目を集めてきた彼らだが、この作品を機にインディーズの雄からアメリカ映画界の雄となった。そして、早くも新作を発表! ブラック・ユーモアあふれるクライム・コメディ『バーン・アフター・リーディング』である。
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
1枚の極秘(だと思われている)ディスクを巡る争奪戦がコミカルに描かれるのだが、出会い系サイトにハマる保安官、アル中でクビになった元CIA局員、全身整形で頭がいっぱいな女…など、キャラクターたちのおバカっぷりが半端なくおもしろい。しかも呆れるほどのおバカキャラでありつつも、自分勝手に生きるその姿がやけに愛おしかったり。中でもコーエン作品に初参加となるブラッド・ピットがいい。彼が演じるのは、iPodを手放せない筋肉バカを地でいくフィットネスセンター従業員のチャド。「こんなブラピを見たかった」と思うほどのハマり役だ。『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』で超ハンサムな姿を披露しているだけに、そのギャップに驚かされる。
今回はストーリーありきではなく、コーエン作品の常連であるフランシス・マクドーマンド(ジョエルの妻)やジョージ・クルーニーをはじめ、ジョン・マルコヴィッチ、ブラッド・ピット、リチャード・ジェンキンスの5人の俳優たちが出演するとしたら…という、キャストありきの企画だったため、当然脚本は演者を想定した当て書きに。それぞれの役のハマり具合も見どころなのである。もちろん、そんな彼らが紡ぎ出す思い込みの恐さと、人生の皮肉さもまた一興。
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