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『天使と悪魔』ロン・ハワード監督のアタマの中身 トム・ハンクスのどこがすごい?

キリスト教の隠された歴史に焦点を当てた大ベストセラーを映画化した『ダ・ヴィンチ・コード』の公開から3年。同じくハーバード大学の宗教象徴学者、ロバート・ラングドンを主人公にしたシリーズの原点「天使と悪魔」が、再びロン・ハワード監督&トム・ハンクスのコンビで映画化され、先日全世界同時公開、各国で貫禄の初登場No.1に輝いていた。輝かしいキャリアを誇るロン・ハワードにとって、続編の製作に着手したのは今回が初めて。果たしてその真意は? そして盟友トム・ハンクスへの絶大なる信頼はどこから来るのか——? 公開直前に来日を果たした彼に話を聞いた。

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『天使と悪魔』 ロン・ハワード監督
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キリスト教の隠された歴史に焦点を当てた大ベストセラーを映画化した『ダ・ヴィンチ・コード』の公開から3年。同じくハーバード大学の宗教象徴学者、ロバート・ラングドンを主人公にしたシリーズの原点「天使と悪魔」が、再びロン・ハワード監督&トム・ハンクスのコンビで映画化され、先日全世界同時公開、各国で貫禄の初登場No.1に輝いていた。輝かしいキャリアを誇るロン・ハワードにとって、続編の製作に着手したのは今回が初めて。果たしてその真意は? そして盟友トム・ハンクスへの絶大なる信頼はどこから来るのか——? 公開直前に来日を果たした彼に話を聞いた。

カトリック教会との関係を中心に、様々な論議を呼んでいる本作。“火中の栗を拾う”と言うよりは、どこか、自らの新作に対して論議が巻き起こるのを楽しみにしている節すらもうかがえる。題材を選ぶ際に最も大切にしていることは? という問いに対して「何より大事なのは、自分の中の直感的な“食いつき”なんだ」と明かしてくれた。
「自分のアイディアであれ、企画が持ち込まれる場合であれ、瞬間的に自分が興味を持てるかどうかがポイントだね。共感を覚える場合もあれば、全く未知のことに対して好奇心を煽られるときもある。そこから、魅力的なキャラクターは? テーマは? と徐々に膨らませていくんだ。周囲の人間にストーリーの断片を語りかけて反応を確かめるときもあるよ。まあ、市場に乗るかどうかの判断は(プロデューサーの)ブライアン・グレイザーの出番だ(笑)。今回の題材に関して言うなら、原作を読んだ全ての人の頭の中に、自分なりの映画構想が芽生えてるものなんだ。当然、僕の選択に不満を持つ人もいる。そうした批判があって当然だし、それもまた、僕にとっては映画作りの楽しみの一つだね」。

魅力的なキャラクターの存在もまた、自らの映画作りにおける重要な条件の一つだと語る監督だが、その登場人物を誰が演じるかについては、どのように決めているのだろうか?
「今回のようなジャンルの作品では、人物をゆっくりと説明するわけにはいかない。とすると短い時間で的確に、自らの役柄を観客に説明できる高い技術を持った俳優が必要なんだ。その点で今回は、脇にも主役級のスターが並んで素晴らしい演技を見せてくれた。トムとの仕事はこれで4度目だけど、最初に彼が『ダ・ヴィンチ・コード』におけるラングドンに興味を持っていると聞いたときは、まさにピッタリだと思ったよ。ラングドンという男は本の虫で理論派。こうしたアクション・スリラーに最も似つかわしくない男だ(笑)。それが自らが持つ豊かな知識のせいで危険に巻き込まれていく。トムのすごいところは、彼が演じることで、観客は自分がラングドンになったように、スクリーンを通して冒険を体験できる、という点に尽きるね」。

原作では、当然のことながら文字によって説明がなされていた様々な科学機器や、鍵を握る“反物質”と呼ばれるものが映像化として表現されている。この点について監督はこう語る。
「実はCERN(セルン:欧州原子核研究機構)には実際に足を運んだよ。そこで『僕に反物質について分かりやすく説明してくれ』と頼んで、いろいろ話を聞いたんだ。実際に、反物質を作り出すことは可能なんだけど、映画で作られたような大量生産には途方もない金と時間が必要らしい。完成した映画を50人ほどの科学者に観てもらったんだけど、フィクションであっても『質が高い』と褒めてもらったよ(笑)」。

こうした科学の最先端を表現する部分と、絶妙なコントラストで作品に深みを与えているのが、舞台となったローマの街そのものである。
「ローマは非常に面白いよ。二千年前の部分があるかと思えば、文化やファッション、美的センスは現代のそれであり、エッジが効いた現代的なものだ。このコントラストの中で見えてくる“科学VS宗教”という要素や、昔から続く紛争や対立がいまだに現代社会を脅かしている、ということを描きたかったんだ」。

トム・ハンクス インタビュー
http://www.cinemacafe.net/news/cgi/interview/2009/05/5970/index.html

アイェレット・ゾラー インタビュー
http://www.cinemacafe.net/news/cgi/interview/2009/03/5587/

《シネマカフェ編集部》

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