押切もえ、いまもだめんず好き!? 「太宰大好き。守ってあげたい」
モデルの押切もえが2月16日(火)、東京・紀伊國屋サザンシアターで行われた映画『人間失格』のトークイベントに出席し、“だめんず”好きぶりを披露した。
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文豪・太宰治の自伝的代表作を、生田斗真主演で映画化した同作の公開を控えたイベントで、押切さんのほか作家のねじめ正一、漫画家の倉田真由美、精神科医の香山リカら各界から太宰フリーク6人が出席。
自殺未遂、心中未遂をそれぞれ2回繰り返し、38歳のときに3度目の心中で死に至った太宰の、だめんずぶりを探る内容。太宰と恋愛ができるか? の問いに、押切さんは「昔は大好きだった。『人間失格』の中でいろんな女性が惹かれていくのが分かる。守ってあげたい、励ましてあげたいって思う。だけど大人になると、う〜ん、ここで立ち直ってほしかった、という場面が何度もあったから、励まし疲れるかな。でも素直な人が好きなので、葉蔵(『人間失格』の主人公)も素直で優しいから共感しちゃって。私ならあなたを分かってあげられるって思っちゃう」といまもまんざらでもない様子。タレントの木村綾子は「太宰はだめんずではない」と持論を主張し「自分の女子力を試されている気がする、どこまで聖母でいられるか」と目がハート。
太宰擁護派の2人に対し、人気漫画「だめんず・うぉ〜か〜」などダメ男研究で定評のある倉田さんは「確かに女の人は、ザックリした人より、感受性のヒダが細かい男に惹かれることが多いですよね」と冷静にコメント。文学評論家の伊藤氏貴は「計画的で悪どいタイプ。たぶん、女性の瞳に映っている自分を見ている。自分の命を担保に、人に言うことをきかせるのが得意だった。かなり悪辣」とバッサリ。「普段、診察室で太宰っぽいつぶやきを聞いている」という香山さんは「精神医学用語でパーソナリティ障害、あるいは自分のことだけが好きな自己愛パーソナリティ。ここ20年くらい増えていますが、そのはしり。だからいまの若い人が、これ『俺のことだ』ってダイレクトに読んじゃうのでは」と分析した。
さらに同作にのっとり、太宰から「一緒に死んでくれるか?」と聞かれたら? の問いに押切さんは「堂々と口説かれるとドキッとします。ストレートって強い」と、またしても理解を示しウットリ。木村さんも大きくうなずいた。
興味深そうに聞き入っていたねじめさんは終盤、「成熟を否定しているよね、太宰は」と総括。太宰作品と、綿矢りさ、白岩玄の作品のそれぞれの文章を引用し、同じ主旨であることを紹介した伊藤さんは「100年も前の作家でこれだけいまの若い人に読まれていて、女性たちがこれだけ魅力を感じている。いまの若い作家でも太宰から抜け切れていない傾向がある、比喩ですが。ってことは太宰は死んでいないなって感じがします」。香山さんも「成熟を拒否した太宰がこれだけ人気があるってことが社会的にいいことか分かりませんが、こんなに普遍的になっていることに恐ろしさと面白さを感じています」と話していた。
『人間失格』は2月20日(土)より角川シネマ新宿ほか全国にて公開。
《photo / text:Yoko Saito》
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