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天才詐欺師を熱演! ジム・キャリーインタビュー「ゲイではなく“愛”を演じたんだ」

世界的に大ヒットした『マスク』で一躍トップ・コメディアンの座を手にし、コメディからシリアスな作品まで、まさに職人的に役に身を染めてきた、ジム・キャリー。大スターとなった彼が『トゥルーマン・ショー』、『エターナル・サンシャイン』という傑作に続いて自ら売り込みをかけたのが、究極のラブストーリー『フィリップ、きみを愛してる!』だ。一体、何が彼を突き動かしたというのか——?

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『フィリップ、きみを愛してる!』 ジム・キャリー -(C) Kazuko-Wakayama
『フィリップ、きみを愛してる!』 ジム・キャリー -(C) Kazuko-Wakayama 全 4 枚
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世界的に大ヒットした『マスク』で一躍トップ・コメディアンの座を手にし、コメディからシリアスな作品まで、まさに職人的に役に身を染めてきた、ジム・キャリー。大スターとなった彼が『トゥルーマン・ショー』、『エターナル・サンシャイン』という傑作に続いて自ら売り込みをかけたのが、究極のラブストーリー『フィリップ、きみを愛してる!』だ。一体、何が彼を突き動かしたというのか——?

実はまだ監督が決まっていない脚本段階から、製作に意欲的に参加しているジム。当初の様子を語る。
「特にコメディ大作などでは、脚本の中身が良ければ売り込みをかけて形にしていくことが多い。ごくごく稀だけど、何もする必要がないと感じる脚本がある。すでにあるというか、出来ている作品に思えるんだ。今回の作品が、まさにそれだった。『トゥルーマン・ショー』、『エターナル・サンシャイン』、そしてこの『フィリップ、きみを愛してる!』の3作については同じように感じたんだ。スタッフに電話して『製作にお金を払ってでもいいから、この作品にどうしても出たい。これは例の1本だ』と伝えた。『例の1本』と言えば、スタッフは何のことか分かってるからね」。

本作の基となっているのは、愛のために詐欺と脱獄を繰り返し、懲役167年に科せられ、現在もテキサスの刑務所に収監されている天才詐欺師、スティーヴン・ラッセルの、嘘のような波乱万丈の人生。IQ169というずば抜けた知能と巧みなる話術を駆使して、時に弁護士に、さらには大企業のCFO(最高財務責任者)にまで成りきるさまは見事。なぜ、彼は“嘘”を重ねたのか? それは愛するフィリップにただ、愛を伝えるためというから、なおさら圧巻だ。

今回、髪を剃って額を広くしたり(前頭葉が発達しているように!)、体を絞るために撮影最後の二日間は水も嘗めるほど(本人談「アフリカのランナーか何かのように!」)に制限したり…と、余念のない役作りでスティーヴンになりきったジム。どこからインスピレーションを得たのだろうか?
「ご存じのように、スティーヴンと刑務所での面会は許されないから、実際に彼に会う機会はありませんでした。しかし、原作者のマクヴィカー氏は、刑務所でスティーヴンとの面会が許されているので、僕のために話を録音してきてくれてね。今回の映画化について話している会話も聞けて、それを役の参考にしました。スティーヴンは映画になることをものすごく喜んでいたし、恋人役にユアン(・マクレガー)が選ばれて大喜びだったよ。彼についての映画を製作するのだということ、彼がその映画を決して観ることができないであろうということ、そしてフィリップはその映画を観るであろうことを考えながら、強い自尊心を持った人物のことを聞くというのは素晴らしいことでした」。

そのフィリップを演じたユアン・マクレガー。初めてとなる彼との共演の感想はずばり?
「前から彼のことは尊敬していたし、彼の作品の大ファンだった。素晴らしいアーティストに囲まれるほど、幸せなことはないよ。彼のおかげで僕も映えたし、気分よく仕事ができて、仕事に熱中できたよ」。

様々な障害も、そのIQと“愛”の力でいとも簡単に(?)乗り越えていったスティーヴン。この男のジェットコースター人生を生きてみて、改めてジムが感じた彼の凄さ、そしてこの作品で伝えたいメッセージとは——。
「彼は独房で、毎日23時間完全に監禁されているんだからね、信じられない話だよ。それだけ危険人物として見なされている。僕は政府は彼を雇えばいいと思うよ。彼ならいまの政府以上に頭の切れるいい仕事をするはずだよ。あと、もう1ついいかな? これだけは言っておきたいんだけど、僕はゲイを演じたわけじゃない。1人の人間への“愛”を演じたんだ。自分の好きなように世界を見て、自分とパートナーにとって完璧な生活という幻想を作ろうとする人間の浮ついた生き方を演じた。スティーヴンは録音テープの最後にこう言ってたよ。『変なものを作るなよ、ジム』とね」。

『フィリップ、きみを愛してる!』ユアン・マクレガー インタビュー
http://www.cinemacafe.net/news/cgi/interview/2010/03/7818/index.html

《シネマカフェ編集部》

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