【どちらを観る?】クラシックが聴きたい 『のだめカンタービレ』&『オーケストラ!』
劇場を出た後に無性に○○が食べたい! ○○に行ってみたい! と欲望をかき立てられることがあるが、4月17日(土)に公開となる『のだめカンタービレ最終楽章 後編』と『オーケストラ!』は、観終わった後にクラシックを聴きたい! クラシックコンサートに行きたい! と思わせてくれる作品だ。
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劇場を出た後に無性に○○が食べたい! ○○に行ってみたい! と欲望をかき立てられることがあるが、4月17日(土)に公開となる『のだめカンタービレ最終楽章 後編』と『オーケストラ!』は、観終わった後にクラシックを聴きたい! クラシックコンサートに行きたい! と思わせてくれる作品だ。
まずは『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』。ご存知、原作は大人気コミックス「のだめカンタービレ」で、クラシック音楽になじみのなかった若い世代にクラシックブームを巻き起こした作品。そして、2006年のドラマシリーズの完結編として映画化が実現。劇場版を前編・後編に分けるあたりはもったいぶってるなぁ〜と思いつつも、東京からパリへと舞台が移りスケールアップしているのは、やはりヒット作だからこそなせる技。後編の物語は、のだめと千秋が離れて暮らすことになったくだりから再開するが、ギャグ混じりで展開してきたこの2人の恋愛模様がちょっぴり大人な関係に…という変化はもちろん、見どころは何と言ってものだめの成長。ル・マルレ・オーケストラの常任指揮者として、バラバラだったオケをひとつにまとめ上げた千秋の成長がメインに描かれる前編に対して、後編はいよいよのだめのステージが華やかに描かれる。千秋との関係がぎくしゃくする中、シュトレーゼマンのプラハ公演で堂々と演奏するのだめの姿にジーンとさせられる。
一方、『オーケストラ!』は元天才指揮者でありながらも、いまはロシア・ボリジョイ交響楽団の劇場清掃員として働く中年男アンドレイの再起を描いた人間ドラマ。
もう一度舞台に立ちたいと願うアンドレイは、ある日とんでもない行動に出る。支配人部屋の清掃中に見つけた1枚のファックス──パリのシャトレ劇場からの出演依頼の用紙を勝手に持ち出し、クビになったかつての仲間を集めて偽のオーケストラを結成。本物と偽ってパリへ乗り込むという突飛なアイディアを思いついてしまうのだ。けれど、寄せ集めオケの団員たちは時間は守らない、浴びるほど酒は飲む、練習はしない…と、散々な珍道中に。そんな彼らがある瞬間に本物の演奏家の顔に変わる、ユーモラスからシリアスへの切り替わりが感動的だ。また、本作はプレジネフ政権下にボリジョイ交響楽団からユダヤ人音楽家と彼らを擁護するロシア人音楽家が排斥された現実を取り入れている。アンドレイたちが過去のトラウマを克服しようとする姿を描くことは、ある意味、経済不況の只中にいる現代の我々へのエールとも捉えられるのだ。
葛藤しながらも夢に向かって走り続けるのだめと千秋、つらい過去と向き合い立ち上がることでいまを生きようとするアンドレイ。あなたはどちらが奏でるクラシック音楽に酔いしれたい?
まずは『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』。ご存知、原作は大人気コミックス「のだめカンタービレ」で、クラシック音楽になじみのなかった若い世代にクラシックブームを巻き起こした作品。そして、2006年のドラマシリーズの完結編として映画化が実現。劇場版を前編・後編に分けるあたりはもったいぶってるなぁ〜と思いつつも、東京からパリへと舞台が移りスケールアップしているのは、やはりヒット作だからこそなせる技。後編の物語は、のだめと千秋が離れて暮らすことになったくだりから再開するが、ギャグ混じりで展開してきたこの2人の恋愛模様がちょっぴり大人な関係に…という変化はもちろん、見どころは何と言ってものだめの成長。ル・マルレ・オーケストラの常任指揮者として、バラバラだったオケをひとつにまとめ上げた千秋の成長がメインに描かれる前編に対して、後編はいよいよのだめのステージが華やかに描かれる。千秋との関係がぎくしゃくする中、シュトレーゼマンのプラハ公演で堂々と演奏するのだめの姿にジーンとさせられる。
一方、『オーケストラ!』は元天才指揮者でありながらも、いまはロシア・ボリジョイ交響楽団の劇場清掃員として働く中年男アンドレイの再起を描いた人間ドラマ。
もう一度舞台に立ちたいと願うアンドレイは、ある日とんでもない行動に出る。支配人部屋の清掃中に見つけた1枚のファックス──パリのシャトレ劇場からの出演依頼の用紙を勝手に持ち出し、クビになったかつての仲間を集めて偽のオーケストラを結成。本物と偽ってパリへ乗り込むという突飛なアイディアを思いついてしまうのだ。けれど、寄せ集めオケの団員たちは時間は守らない、浴びるほど酒は飲む、練習はしない…と、散々な珍道中に。そんな彼らがある瞬間に本物の演奏家の顔に変わる、ユーモラスからシリアスへの切り替わりが感動的だ。また、本作はプレジネフ政権下にボリジョイ交響楽団からユダヤ人音楽家と彼らを擁護するロシア人音楽家が排斥された現実を取り入れている。アンドレイたちが過去のトラウマを克服しようとする姿を描くことは、ある意味、経済不況の只中にいる現代の我々へのエールとも捉えられるのだ。
葛藤しながらも夢に向かって走り続けるのだめと千秋、つらい過去と向き合い立ち上がることでいまを生きようとするアンドレイ。あなたはどちらが奏でるクラシック音楽に酔いしれたい?
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