スコセッシ監督、いつまで経っても実現しない企画をめぐって製作会社に訴えられる
22日(現地時間)、マーティン・スコセッシ監督が22年前から関わっている遠藤周作原作の「沈黙」の映画化をめぐって、製作会社「チェッキ・ゴーリ・ピクチャーズ」からロサンゼルスで損害賠償を求める訴訟を起こされた。
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『セブン』や『ブロンクス物語/愛につつまれた街』などを手がけた同社は1990年、スコセッシ監督と「沈黙」の映画化『Silence』(原題)製作の契約を交わしている。チェッキ・ゴーリ側の訴状によると、監督は『クンドゥン』('97)の製作終了後に『Silence』に着手すると言いながら実現せず、2004年と2011年に製作延期の契約を結んだという。そして、『ディパーテッド』('06)、『シャッター アイランド』('09)、今年のアカデミー賞で5部門受賞した『ヒューゴの不思議な発明』の撮影を優先させる代わりに補償金を支払うことに合意していたが、『ヒューゴ〜』についての支払いがなされていないという。
チェッキ・ゴーリ側は「各作品につき150万ドルとスコセッシの収益の20パーセント」という前2作と同じ条件の支払いを要求している。同社は既に『Silence』製作のために75万ドルを投資している。
「沈黙」は17世紀の日本を訪れたイエズス会の宣教師たちとキリシタン弾圧を描く物語。スコセッシ監督とスタッフが舞台となった九州でリサーチをしたり、キャストにダニエル・デイ・ルイスやベニチオ・デル・トロの名前が挙がるなど、具体的な動きも見せていた。スコセッシ監督自身は昨年末、出演したラジオ番組で次回作について「遠藤の本(の映画化)を次にやりたいと思っている」と語っていた。だが、スコセッシが現在とりかかっている新作はレオナルド・ディカプリオ主演の『The Wolf of Wall Street』(原題)。いつまでも果たされない約束にチェッキ・ゴーリ側もついに堪忍袋の緒が切れたようだ。
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