【ハリウッドより愛をこめて】2013年アカデミー賞は、歴史に残る一夜となる!?
読者のみなさん、こんにちは! 2013年のアカデミー賞ノミネート・リストが遂に発表となりましたね。率直に、私は今回のノミネーションになかなか感心しましたよ…
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例年、私はノミネートされた俳優陣、そして作品にはいつもあまり驚きませんでした。そして正直な感想を述べるならば、ここ数年のアカデミー賞ノミネート発表は少し退屈で予想通りなものに感じていました。実際今年も、『リンカーン』の12部門ノミネート(ダニエル・デイ=ルイスの主演男優賞、サリー・フィールドの助演女優賞含む)は予想通り、というところだと思います。しかし、多くの内部事情通によるとスティーヴン・スピルバーグ監督のノミネーションはかなりのサプライズだったよう。そして同時に多くの人が(私も含め!)驚いたことに、キャサリン・ビグロー監督とベン・アフレック監督のどちらも監督賞へのノミネートを逃したのです! 今回のノミネーション全体の中でも、この監督賞部門が一番の衝撃だったと言ってもいいでしょう。
ニューフェイスたちの登場にも喜びを感じました。多くの人が“2012年の最高の1本”だと信じている『ハッシュパピー~バスタブ島の少女』を監督した30歳のベン・ザイトリンもその一人。信じられないことに1年足らず前に、ザイトリン監督と彼の小さな“スター”クワベンジャネ・ウォレスはサンダンス映画祭にてこの映画のプロモーションをしていたのですから。
もう一つ面白い展開と言えば、再び注目を浴びた『世界にひとつのプレイブック』でしょう。一時期は賞レースを席巻するように思えた本作ですが、監督組合賞では完敗。しかし、アカデミー賞は見事に作品賞、監督賞、脚本賞を含む8部門にノミネートされ、しかも俳優4部門全てのノミネーションを獲得しました。これは1981年にウォーレン・ベイティが監督した『レッズ』以来の快挙です。
ほかに気になるのは、今年は最高齢と最年少の女優が主演女優賞にノミネートされたことでしょうか。『ハッシュパピー~バスタブ島の少女』で期待以上の仕事を成し遂げたクワベンジャネ、そして『愛、アムール』の85歳のエマニュエル・リヴァが本賞へのノミネートを果たしました。実のところ、エマニュエルはアカデミー賞授賞式の夜に86歳の誕生日を迎えるのです! アカデミー賞は彼女に最高の誕生日プレゼントとしてオスカーをプレゼントすることになるのでしょうか?
アン・リー監督最新作『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』が2番目に多い11部門にノミネートされたのは、いくつかのメディアにとっては驚きだったのではないかと思います。映画業界ではそれなりに注目を集めてる作品ではありますが、劇場ではあまりヒットしていません。多くの批評家は作品があまりに長く、さらに少し難解すぎるのでは? と指摘しています。しかし、リー監督はいつだってビジネス面では際立った存在で、成功しているのです。覚えているでしょうか? 『ブロークバック・マウンテン』('06)にしてもみな受賞はないだろうと思っていたのにも関わらず、8部門にノミネートされ、最終的には監督賞、脚色賞、作曲賞を受賞したのです。
概して言えば、今年のアカデミー賞はとても興奮する内容となるでしょう。個人的に、唯一受賞が確実だと思うのは、『リンカーン』でノミネートされているダニエル・デイ=ルイスの主演男優賞ですね。ところで読者のみなさんは、きっと今年のアカデミー賞のホストであるセス・マクファーレンについてあまり知らないかもしれませんね。私は彼は素晴らしいホストになるのではないかと思います! 「ファミリー・ガイ」などアメリカで大人気のTV番組をいくつも書いている脚本家であり、2012年全米で笑いと話題を巻き起こした『テッド』のプロデューサー/主演(テッド役)でもあります。セスは面白いだけでなく、素晴らしい歌手であり、多くの声色を操るのです。なので、本当に記憶に残る一夜となるのではないかと思います。アカデミー賞授賞式はドルビー・シアター(以前のコダック・シアター)にて2月24日(現地時間)に開催されます。楽しむ準備はもうできていますか?
(C) Tsuni/Gamma-USA/AFLO
《text:Lisle Wilkerson》
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