デンゼル・ワシントン「オスカーを受賞したら日本語で『アリガトウ』と言うよ!」
アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた『フライト』を携えて、デンゼル・ワシントンとロバート・ゼメキス監督が来日。2月20日(水)に都内で行われた記者会見に出席した。
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原因不明の機体不調に陥った飛行機を緊急着陸させ多くの人命を救ったことからヒーローとなった操縦士・ウィトカーだったが、彼の血液からアルコールが検出されたことから一転、過失致死の疑いをかけられることに…。多くの人々の人生を巻き込みながら次々と真実が明らかにされていく。
4年ぶりの来日を果たしたデンゼルは「4年は長いね。この作品でまた戻ってこられて嬉しいです」と笑顔で挨拶。過密スケジュールでの日本滞在となるが、行ってみたい場所を尋ねると、全米でも絶賛を浴びたドキュメンタリー映画『二郎は鮨の夢を見る』で取り上げられた銀座の三ツ星店の「すきやばし次郎」の名を挙げ「息子が映画を観たらしいんだけど、食べに行けることを夢見てます(笑)」と語った。
初めてのパイロット役となったが「デルタ航空のシミュレーターで訓練をしたよ。本当は2~3か月を要するところを2~3日で訓練しました。あとはゼメキス監督自身がパイロットなので、分からないことは彼に直接聞きました」とふり返った。
『キャスト・アウェイ』以来12年ぶりに実写映画のメガホンをとったゼメキス監督は「デンゼルとのコンビはワクワクさせられ楽しませてもらったけど、カメラの後ろにいて驚いたのは、彼が演技する上で行う選択が常に正しいものばかりだったということ。おかげでこちらが演出する機会はほとんどなかったくらいです」とデンゼルを称賛。一方のデンゼルも「監督は常にリラックスして演技に臨める環境を整えてくれるんです。だから何でも試せるし、不安なく信頼して演技することができました」と監督への全幅の信頼を口にした。
物語が進むにつれて、一流パイロットとして自信にあふれていたはずのウィトカーが抱える様々な問題や内面が浮き彫りになっていく。果たしてどのようなアプローチで、ウィトカーという人物を掴んでいったのか? という質問にデンゼルは「まず何より脚本が素晴らしく、そこに全てが含まれていたので、アドリブで何かを行う必要が全くありませんでした」と述懐。さらに「この役に限らず常に行なっているアプローチですが、リサーチはかなりしました。歴史について調べたり、いろんな人に話を聞いたり。それでも、これまでのどの役も完全につかんだという感覚を持ったことはないんです」と明かした。
本作で6度目のアカデミー賞ノミネート(助演2回、主演4回/受賞はそれぞれ1回ずつ)。運命の授賞式は4日後に迫るが、現在の心境について聞くと「僕の哲学は『1日1日でベストを尽くす』ということ。いまは日曜のロサンゼルスではなく、東京でみなさんとお話ししているので、そこにベストを尽くしています」とあえて深くは語らず。それでも「もし受賞したら日本語で『アリガトウゴザイマス』と言うよ(笑)」と茶目っ気たっぷりに語っていた。
『フライト』は3月1日(金)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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