大林宣彦監督、「AKB48」の映像を撮ったのは偉大なる“ヒッチコック”の影響だった?
サスペンスの神”と謳われた男アルフレッド・ヒッチコックと、彼を支えた妻アルマ・レヴィルとの知られざる物語を描いた『ヒッチコック』。本作の公開と、日本記念日協会により3月15日が正式に「サイコの日」として登録されたことを…
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ヒッチコックと、彼を支え続けた優れた映画編集者にして、脚本家であり、生涯ただ一人の妻・アルマ。映画『ヒッチコック』は『サイコ』の製作から成功に至るまでの道のり、そして2人の天才の知られざる物語を描く。
会場には映画『サイコ』('60)の日本公開時にヒッチコックと妻・アルマがキャンペーンで来日したときの貴重な写真が特別展示され、公開前の新作『ヒッチコック』と、ヒッチコック最大のヒット作にして後世の映画史に多大なる影響を与えた不朽の名作『サイコ』の2作を特別上映。そして、日本屈指の“ヒッチコキアン”大林宣彦監督(映画作家)、1960年にヒッチコックと妻・アルマが来日した際に本人と会った細越麟太郎(映画評論家)、さらにホスト役として滝本誠(評論家)が登壇し、スペシャルトークイベントを行った。
「ヒッチコックを愛してくれる若い人が増えてくれれば、映画は不滅だね」と語る大林監督は、「アンソニー・ホプキンスがヒッチコックを演じているから、成功している。似てはいないけど、ヒッチコックが内に持っているコンプレックスや複雑さを上手く表現しているよね」と本作を絶賛!
さらに低予算で製作されながらもヒッチコック最大のヒットとなった『サイコ』について「当時はテレビが浸透し始めた時期で、ヒッチコック自身も「ヒッチコック劇場」という番組をもっていた。だから、TVスタッフたちと、TVのやり方で撮ろうとしたのが『サイコ』だった。ちょうど僕が『AKB48』を起用して、プロモーションビデオを撮ったみたいにね」と語る。
実は大林監督は「AKB48」の「so long」のプロモーション・ビデオを監督しており、64分間にも及ぶ長編で話題をさらった。大林監督が「AKB48」の映像を撮ったのには、少なからずともヒッチコックの影響があったようだ。
また、細越さんは「パーティなどでも、主役はあくまでヒッチコック。アルマさんはつつましく“影の存在”といった印象でした。ただ、来日する際に、アルマさんの希望でわざわざ船に乗ってやって来たんですよ。次回作の構想を練るためもあったでしょうし、奥さんに休暇を与えてあげるヒッチコックの優しさも垣間見えますね」とヒッチコック夫妻が1960年に来日したときのエピソードを披露してくれた。終始繰り広げられた熱いトークに、観客として会場に詰めかけた多くのヒッチコキアンやクリエイターたちも真剣に聞き入る様子で、時に感嘆の声があがるほどの盛り上がりを見せた。
最後に、大林監督が「サイコの日」記念日登録証を持ってフォトセッションを行い、大盛況のうちに「サイコの日」前日祭は幕を閉じた。
『ヒッチコック』は4月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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