【雅子BLOG】フランス映画祭、作品紹介その1
フランス語短期集中講座の如く、連日日仏学院(旧)に通って観たマスコミ試写を終え、いよいよ今週金曜日からフランス映画祭が開幕します。長編、短編入れて、今回は14本のバラエティに富んだラインナップ(のうち私は11本を鑑賞)。
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配給の付いている作品は追って観られるけれども、上映後の来日ゲストによる楽しみなQ&A、撮影秘話や作品についての話を聞くことができるチャンスです。これは映画祭ならでは、ですよね。フランス人俳優は気さくで独自のスタイルを持っている…。そんな雰囲気もちょっぴり垣間見れることでしょうか。そして、今のところの末配給作品が6本。前記したようにドワイヨン親子、サニエ嬢など日本でも知名度がある監督、女優の新作をこの機会にお見逃しなく!
というわけで、ここで今一度、ざっと作品のご紹介を。
注目のオープニング作品は、『In the House』フランソワ・オゾン監督。ファブリス・ルキーニ演じる国語教師とエルンスト・ウンハウワー演じる生徒の心理合戦が巧妙で、実に面白かった! 円熟味を増した感のあるオゾンの傑作が誕生しました。オゾンと新人のウンハウワーが来日、これは必見でしょう。私もオープニングで2回目を観る予定。そうそう、アップルストアではオゾンのトークショーがあるとか。MCはもちろん矢田部さん。これは行かねば!
初日、レイトショーで上映するのは『遭難者(仮)』/『女っ気なし(仮)』の主人公・シルヴァンを巡る2つの物語。監督はデビュー作となるギョーム・ブラック。ロメールやロジエを彷彿とさせる演出に、フランスでは高い評価を得た作品とか。なるほど微妙な人間模様が絶妙でした。お~というかんじで、私は個人的に○印を付けた作品です。ブラック監督が来日します。
映画祭2日目の土曜日は4作品、『短編作品集』からスタート。8本の作品から成る多種多様な作品が揃う。あまり触れることのないフランスのショートフィルムを観られる貴重な機会です。連続8本で2時間あまり、見応えあります。『からっぽの家』のマチュー・イポー監督が唯一、来日です。
14:00~は8月に公開が決まっているグザヴィエ・ドラン監督『わたしはロランス』。弱冠23歳というドラン監督。この若き才能は得体の知れないものかもしれません…。昨年のフランス映画祭に来日したメルヴィル・プポー主演。女になりたかった男の少し風変わりな、愛がいっぱいのスペシャルなお話。団長を務めるナタリー・バイが母親役で出演。上映後は登壇してQ&A。また、特別プログラムとして、ナタリー・バイ特集があります。ゴダールの『勝手に逃げろ/人生』、トリュフォーの『緑の部屋』など作家主義的な作品から、その後のキャリアを物語る実に多彩な作品がズラリ。私はさっそく、上映後にティーチ・インのある23日(日)『ゴダールの探偵』のチケットを予約しました。久しぶりに観るな…。前は確かビデオ(!)だったから、大画面は楽しみ。
18:30~は、今回から新しく導入されたクラシック作品より『ローラ』、監督はジャック・ドゥミ。ドゥミと言えば『シェルブールの雨傘』ですが、この作品が長編デビュー作。すでに何回か観ているし、舞台になったナントにも行ったことがあります。劇中に出てくる階段のあるアーケードでは「ああ、『ローラ』の…」と感動した覚えがあります。登場人物がスレ違い行き交い、ミッシェル・ルグランの音楽に乗って流れるように物語は進みます。主人公のアヌーク・エーメがふわふわした女心を魅力的に演じているのも見所。2012年に制作されたデジタル・リニューアル完全版で。これは是非とも大画面でどうぞ。
土曜日の最終上映作品は、『テレーズ・デスケルウ』、昨年亡くなったクロード・ミレールの遺作です。日本でも人気のオドレイ・トトゥ主演ということだけど、今のところ未配給。原作はフランスのカトリック文学史上、不朽の名作と言われるフランソワ・モーリヤックの同名小説。ミレール+オドレイコンビを持ってしても、モーリヤックの大河ドラマは日本人にはイマイチなんでしょうか…。私は試写で観られなかった3本のうちの1本がコレ。
続きはまた後ほど!
《text:Masako》
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