【インタビュー】J.J.エイブラムス監督…『スタートレック』はワクワク感&スピード感が大事
この夏の話題作として、注目を集める『スター・トレック イントゥ・ダークネス』。先日の来日時に、監督を務めたJ.J.エイブラムスに取材を敢行。「スター・トレック」のファンではなかったという、監督の創作の源泉を探った。
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―― 『スター・トレック イントゥ・ダークネス』でもオリジナル世界との繋がりがあります。前作『スター・トレック』でシリーズをリブートしたのだから、全く新しいストーリー展開もできたのに、何故そうしなかったのでしょうか?
エイブラムス監督:映画ファン全体に向けて作ったからだね。従来作品を全く観ていない人が新作だけを観ても楽しめるように。一方、既存のファンも無視できない。実は僕は、「スター・トレック」のファンではなかった。前作を監督することになって見直したら、その魅力を理解できたよ。いまでは一人前のファンだよ(笑)。
――「スター・トレック」を始め、過去の作品をリスペクトした大作を手がけていますね。製作されませんでしたが、「スーパーマン」の脚本も書いています。
エイブラムス監督:自分が子どもの頃にインスピレーションを受けた作品なんだ。インスパイアされたものをやることが大事だと思っているよ。でも、新『スター・ウォーズ』の監督も、『M:i:III』の監督も、自分では「まさか!?」と思ったよ。
――本作ではジャングルや火山など、僕たち大人が子どもの頃に観てワクワクしていた映画の要素がちりばめられています。監督はどんな作品でワクワクしましたか?
エイブラムス監督:チャールズ・ロートンがカジモドを演じた『ノートルダム・ド・パリ』('39)の、ラブストーリーと恐ろしげなメイキャップが心に残っているんだ。狼男、透明人間、フランケンシュタイン、猿の惑星、東宝怪獣といった、ビジュアルとエモーションが融合した作品にとても興奮したよ。中でも、「トワイライトゾーン」シリーズが一番好きだ。(スティーヴン・)スピルバーグ作品やRレイティングにももちろん好きな作品があるよ。
とにかくエモーショナルなライヴ・アクションが好きなんだ。手品師が不可能な技を見せて驚かしたり。自分たちと同じリアルな人間が不可能なことをする映画を作りたいと思っているんだ。たとえば、撮影では自然光にこだわるんだけど、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』では屋外セットを14個も作ったんだ。屋外のシーンはリアルな光線で撮りたかったからね。
――監督は『スター・ウォーズ』新作にも起用されました。『スター・トレック』と『スター・ウォーズ』は、どのような違いがあるのでしょうか?
エイブラムス監督:まったくの別物だね。まず、トーンが違う。キャラクターが違う…。『スター・ウォーズ』はおとぎ話で、『スター・トレック』は古典的なSFなんだ。『スター・ウォーズ』ではドアが宇宙空間に開いてもフォースが守ってくれるけど、『スター・トレック』では現象を科学で証明しなければならないからね(笑)。
――監督は『スター・トレック』に『スター・ウォーズ』のリズム感を持ち込んだのでしょうか?
エイブラムス監督:それを言ったのは僕ではないけどね(笑)。でも、そうだね。僕が子どもの頃に『スター・トレック』を楽しめなかった理由は、あの知的な、静かな物語のペースだったと思うんだ。僕は速いペースが好きなんだ。そういった意味でも、『スター・トレック』にエネルギーを注入できたと思ってるよ。
《シネマカフェ編集部》
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