『かぐや姫の物語』完成させた高畑勲監督、宮崎駿監督の引退は「気が変わる可能性も」
高畑勲監督が11月7日(木)、都内で行われたスタジオジブリ最新作『かぐや姫の物語』の完成報告会見に出席。今年9月に引退を表明した盟友・宮崎駿監督について「『今度は本気』って言ったらしいですけど…
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高畑監督にとっては14年ぶりの新作となる『かぐや姫の物語』は、日本最古の物語文学「竹取物語」に隠された、ひとりの少女・かぐや姫の“罪と罰”を独特なタッチで描く長編アニメーション。製作期間8年、総製作費は50億円を投じて、かぐや姫が「なぜ地球を選んだのか?」そして「この地で何を思い、なぜ月へ去らねばならなかったのか?」という人知れぬ謎に迫った。
当初は、7月20日に『風立ちぬ』との同日封切りが予定されていたが、さらなるクオリティの向上を目指し公開が延期されていた本作。それだけに「ずいぶんお金も時間もかかってしまったが、日本のアニメーションにとって、新しい一歩を進める作品になったような気がします。大変満足を覚えていますし、苦楽を共にしたスタッフにこれほどありがたい気持ちで満たされたことはない」と高畑監督の思いもひとしおだ。
改めて、宮崎監督の引退について聞かれると「特に何の思いも…。別にジブリからいなくなったわけじゃないですし、何も変わっていない。私自身もこの作品は、ジブリ本体から少し離れた場所で作りましたし、ジブリのことでは責任も何もないので」と自然体を貫いた。ちなみに宮崎監督はこの作品を「観たと思います」(高畑監督)。ただ、あえて感想を聞くつもりはないと話していた。
完成報告会見には高畑監督を始め、かぐや姫役に大抜擢された朝倉あき、高良健吾、宮本信子、田畑智子、宇崎竜童、上川隆也、朝丘雪路、主題歌「いのちの記憶」を歌う二階堂和美、脚本の坂口理子氏が勢揃いし、それぞれに感無量の面持ちを浮かべた。
作画完成前に声を収録するプレスコ方式が採用された本作。朝倉さんがオーディションで選ばれたのはもう2年も前のことだが、「まるで昨日のことのよう。大好きな高畑監督の作品で、大事な役を任せていただき、改めて幸せな気持ち」。2012年6月に他界した俳優の地井武男さんと声の共演を果たし、「本読みから全力のお姿に引っ張っていただいた。わずかな時間でしたが、私はなんて幸せ者なんでしょう」と思いを馳せた。
『かぐや姫の物語』は11月23日(土・祝)より全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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