WOWOW「パンドラ」最新作に参戦の堺雅人は「目の動きで風を起こせる人」?
WOWOWのドラマWの人気シリーズの最新第4弾となるスペシャルドラマ「パンドラ ~永遠の命~」の制作記者会見が4月15日(火)に開催され、主演の堺雅人、脚本の井上由美子、河毛俊作監督が出席した。
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2008年以来、「がんの特効薬」「食糧危機を救う食物」「自殺を防ぐ薬」と人類にとっての“パンドラの箱”とも言える新たな発明をした主人公の運命を描き、人気を博してきた「パンドラ」シリーズ。
本作では堺さん演じる天才医師・鈴木が自らのクローンを作り上げたことをきっかけに、政治家の野望や医師会の思惑などが複雑に絡み合い、彼と周囲の人間を翻弄していく。
堺さんは人気のシリーズへの参加について「責任感と『新たな風を吹き込めたら』という目論みを持って参加しました。素晴らしい骨格を持った作品であり、楽しく、そして勉強になりました」とふり返る。井上さんの手による脚本については「いい意味でシンプルな物語で、寓話や神話のよう。難しいことを考えずにその世界に身を浸せればと思った」と語る。
シリーズ全作で脚本を手がけてきた井上さんは「毎回、テーマに苦労します。『あったらいいな』と思いつつ、でも本当に生まれてしまうと困る、いろんな発明の光があれば影もあるという部分を描きたい」と本シリーズの軸となるテーマ選びについて語る。
その上で今回のクローン技術について「パンドラの箱を開けるにあたって、人類にとって一番恐ろしい発明だと思った。クローンというのは遺伝子が一緒であるというだけで、本人に似るとは限らないんです。奥深い題材だと感じました」と語った。
河毛監督は本シリーズを「SFだけど、(現実と)かけ離れていない、明日起こってもおかしくない」と評し、「時代が『パンドラ』に寄ってきているのでは? と感じる」と語る。
堺さんは河毛監督とは初タッグとなったが「リハーサルは入念にされるんですが、基本的にテイク1だけで撮り直さない。プランを細かく考えてやるというよりもその場の空気を感じて、衝動に身を任せるという役者の醍醐味を改めて教えてもらい、刺激的でした」と笑顔で感想を口にした。
一方の河毛監督は今回の堺さんの役柄について「最近の堺さんの仕事とは全く違う」と語り、「堺さんは今回あまり動かないけど、止まっていても速いんです。スポーツカーは止まっていても速く見えるのと同じ。ちょっとした表情や目の動きで風を起こせる人」と称賛。堺さんは「意識したことはなかったですが、これから目の動きで風を起こしていきたい(笑)」と宣言し笑いを誘っていた。
もしも、また堺さんを主演に作品を作るなら? という問いに井上さんは「爆発するような演技が魅力ですが、爆発しない、静かに片想いの女性を見ているようなおとなしい、イギリス映画のような役がいいかも」と想像を膨らませる。河毛監督も「同じ思いです。カズオイシグロの『日の名残り』的な。もしくは『グレートギャッツビー』みたいな作品ををやりたい。ディカプリオよりいいと思います(笑)!」とラブコールを送り、堺さんも「『グレートギャッツビー』は好きな小説です。似たようなのをできませんかね?」と乗り気だった。
ドラマWスペシャル「パンドラ ~永遠の命~」は4月27日(日)22:00より放送。
《シネマカフェ編集部》
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