ジブリ新作『思い出のマーニー』Wヒロインは時代の必然? 『アナと雪の女王』が証明
スタジオジブリの最新作『思い出のマーニー』が2人のヒロインを主人公に据えた“Wヒロイン”の物語になることが分かった。英児童文学を原作にした作品だけに「偶然」ではあるが、Wヒロインと聞けばやはり現在大ヒット中の『アナと雪の女王』…
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本作に登場するのは、「小さな体に大きな苦しみを抱えて生きる」杏奈と、「そんな杏奈の前に現れる謎の少女」マーニーという2人のヒロインだ。海辺に暮らす親せきに預けられることになった杏奈は、誰も住んでいないはずの“湿っ地屋敷”から姿を現した金髪のマーニーと出会い、ひと夏を過ごしながら、ある秘密を分かち合う…。
なぜ、スタジオジブリは最新作にWヒロインを選んだのか? もちろん、第一の理由が「原作ありき」の映画化であることは言うまでもない。原作を読めば、杏奈(原作ではアンナ)とマーニーが表裏一体、光と影のように互いを必要とする存在として描かれていることが見て取れる。
それでも、常に時代を捉え、時に時代を先取りしてきたジブリ作品らしい“偶発的必然”がWヒロインという選択を導いたのも事実。4月14日(月)、都内で行われた記者会見に出席した西村義明プロデューサー(『かぐや姫の物語』)はこんな言葉を発していた。
「Wヒロインというのはあくまで“言葉”。でも、企画段階でよく話していたのは、完全無欠のヒーローが女性を救う映画が作られた時代があって、その次に『悩めるヒーローを女性が支える』という時代が来たということ。そして21世紀、少し過ぎたところで『男性は女性を救えないんだ。女性の問題は、女性が何とかしないといけない』と社会的にもハッキリした。それが『アナと雪の女王』だったと思うんですね」(西村プロデューサー)
その上で、西村氏は「ジブリ初のWヒロインであり、この映画に出てくるのはほとんど女性です。この企画に、そういう時代が反映されているんじゃないかなと。杏奈の問題を解決してあげられるのは、マーニーという女性だという点は、時代の必然性があると思う」と持論を展開している。
果たして、スタジオジブリが放つ“Wヒロイン”の物語はいかに時代を映し出し、観客にどんなメッセージを投げかけるのか?
『思い出のマーニー』は7月19日(土)より全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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