【シネマカフェ的海外ドラマvol.316】第66回エミー賞直前企画vol.3 「ハウス・オブ・カード」徹底分析
“テレビ界のアカデミー賞”ことエミー賞の授賞式が、来たる8月25日(現地時間)に開催。まもなく日本放送される新ドラマからおなじみの大人気シリーズまで、授賞式前に知っておきたい要注目作品をチェックしていきましょう。
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3本目の要注目作は、ドラマ・シリーズ部門の「作品賞」を始め、シーズン2の第1話を演出したカール・フランクリンが「監督賞」、同じくシーズン2第1話の脚本を担当したボー・ウィリモンが「脚本賞」、そしてフランシス・アンダーウッド役のケヴィン・スペイシーが「主演男優賞」、クレア・アンダーウッド役のロビン・ライトが「主演女優賞」、フレディ役のレグ・E・キャシーが「ゲスト男優賞」、ゾーイ・バーンズ役のケイト・マーラが「ゲスト女優賞」にノミネートされた「ハウス・オブ・カード 野望の階段」です。
上記以外の部門にもノミネートされ、高い評価を集めている「ハウス・オブ・カード 野望の階段」は、動画配信サイト「Netflix」で配信されるという新しい放送スタイルが話題となったシリーズ。シーズン1を対象にした去年のエミー賞でも、第1話を演出したデヴィッド・フィンチャーが「監督賞」を受賞するなど、レースの目玉の1つとなりました。
軸となるストーリーは、狡猾で非情な政治家フランシス・アンダーウッドがあらゆる策略を巡らせながら、政界における“野望の階段”を上っていくというもの。大統領選の立役者でありながらもホワイトハウス入りの約束を反故にされ、怒りと復讐に燃えていたフランシスがある者からは政治生命を奪い、ある者からは幸せを奪い、そしてある者からは文字通り命を奪ったのがシーズン1でした。
そのラストから続くシーズン2では、念願叶って副大統領の座に就いたフランシスがさらに暗躍。シーズン1でも悪の限りを尽くしていましたが、シーズン2でも彼の非道な行いは留まるところを知りません。
製作総指揮も務めるデヴィッド・フィンチャーを始め、ジョエル・シュマッカーら名立たる映画監督が参加したシーズン1に続き、シーズン2は第9話をジョディ・フォスター、第10話をクレア役ロビン・ライトが演出したことも話題に。
そんな中、やはり注目しておきたいのは、「監督賞」と「脚本賞」にノミネートされた第1話です。『青いドレスの女』('95)などで知られるカール・フランクリンが演出し、クリエイターのボー・ウィリモン自ら脚本を手がけた第1話は、観る者すべてを震撼させる衝撃のエピソード。シーズンを重ねて衝撃度が衰えることはないどころか、さらなる衝撃が待っていることを第1話が暗示しています。
ちなみに、ボー・ウィリモンは2004年の民主党大統領予備選に立候補したハワード・ディーンの選挙スタッフだった人物で、ジョージ・クルーニー監督作『スーパー・チューズデー ~正義を売った日~』('11)のオリジナルとなった舞台を執筆したことでも有名。そんな彼が1シーズン十数話から成るTVシリーズという活躍の場を得て、スキャンダラスでスリリング、と同時に人間らしく恐ろしい展開を嬉々として追求しているのが伝わってきます。
その“人間らしさ”を表現するには、もちろんキャスト陣の存在が不可欠。製作総指揮も務めるケヴィン・スペイシーを始め、フランシスの妻・クレアをクールに演じるロビン・ライトら実力派たちの巧みな演技なくして今の成功はありません。フランシス&クレアのアンダーウッド夫妻の運命と同様、2人の受賞の行方も気になるところ。そして、フランシスに運命を狂わされていく女性記者役のケイト・マーラが、「ゲスト女優賞」にノミネートされている理由も第1話を観れば分かる…?
昨年のエミー賞授賞式ではドラマの中のフランシスさながら、その時々の心情をカメラに向かって語りかけるケヴィン・スペイシーのお茶目なパフォーマンスが会場を沸かせてくれましたが、今年はぜひ受賞スピーチを聞いてみたいものです。
<「ハウス・オブ・カード 野望の階段」リリース情報>
ブルーレイ&DVD 発売/レンタル中
デジタル セル&レンタル同時配信中
(C) 2013 MRC II Distribution Company L.P. All Rights Reserved.
■「生中継!第66回エミー賞 授賞式(HD二ヶ国版/同時通訳)」
8月26日(火)8:25~0:30
AXN・AXNミステリー同時生中継 ※ノンスクランブル放送
無料オンデマンド・サービス「AXN Plus」でも同時配信
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