グレース・ケリーの命日に新ビジュアル到着 『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』
人気絶頂の中でハリウッドを去り、モナコ公妃となったグレース・ケリーの結婚後の“ある出来事”を追った、ニコール・キッドマン主演…
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今年2014年は、ちょうどグレース・ケリーの生誕85周年に当たる年。世紀の結婚をし、オスカー女優からプリンセスへと華麗な転身を遂げたかに見えた彼女の結婚生活や、モナコ公妃としての日々はどんなものだったのか。
1982年、52歳という若さでこの世を去った彼女の命日・9月14日に併せ、在りし日のグレース・ケリーの写真と新たな劇中ビジュアルの到着とともに、彼女の生涯をふり返ってみた。
本作は、“世紀の結婚”から6年後の1962年、グレース・ケリーが挑んだモナコ公国最大の危機に関わる “一世一代の大芝居”にスポットを当てた物語。監督は『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』のオリヴィエ・ダアン。同じくオスカー女優のニコールがグレース・ケリーに扮し、ティム・ロスが夫・レーニエ公を演じている。
1929年11月12日、フィラデルフィアの裕福な家庭に4人兄弟の次女として生まれたグレース。父はオリンピックの金メダリストであったため、活発なグレースの兄姉に目をかけており、内向的で芸術に興味を持つグレースに対しては、評価も期待も一切してこなかったという。グレースの恋の相手が常にかなり年上の男性だったのは、こうした父親への思いがあったためだとも言われている。
その後、両親の反対の中、単身NYに演技の勉強に出たのが17歳のとき。1951年に『14時間』でスクリーンデビューし、52年には大手スタジオのMGMと契約して『真昼の決闘』でゲイリー・クーパーと、翌年には『モガンボ』でクラーク・ゲーブルと共演を果たした。
そして、24歳のとき、ヒッチコック監督にイングリット・バーグマンに続くミューズとして見いだされ、1954年『ダイヤルMを回せ!』の主演に抜擢、「グレースは私がずっと探していた通りの女性だ」とヒッチコックに言わしめ、『裏窓』『泥棒成金』に相次いで出演。55年には、ジョージ・シートン監督『喝采』のビング・クロスビーの妻役でアカデミー賞「主演女優賞」を受賞した。
6年間で11本の映画に出演したが、1956年、カンヌ映画祭で出会ったモナコのレーニエ公と結婚、女優を引退。式の模様は世界9か国で放映され、「世紀の結婚式」と呼ばれた。当時のモナコは、経済的困窮と後継者問題の解決が急務とされており、その中でグレースは、モナコの広告塔としての知名度と美貌、持参金、健康な体と最高の条件を兼ね備えていた妃とされていた。
しかし、アメリカとヨーロッパ、一般人と王室、しきたりも風習も考え方もまったく違う環境に一人放り込まれたグレースは、本音を話せる友人もおらず、寂しい生活を送っていたという。また、モナコ人にとってもアメリカ人が突然公妃になったことをすぐには受け入れられず、またフランス語がほとんど話せず、口数が少ないグレースは「冷たい人物」と思われていたという。
1957年、妊娠中のグレースがマスコミを前にお腹を隠すようにエルメスのバッグを抱えていたことをきっかけに、エルメスから正式に打診があり「ケリーバッグ」が誕生。
そして、本作の舞台となる1962年、ヒッチコックから『マーニー』主演のオファーを受ける。愛する父を失っていただけでなく、何度も流産を繰り返しふさぐグレースを心配したレーニエ公は、この女優復帰に賛成。撮影のために家族全員でアメリカへ行く予定を立てるが、フランスがモナコに税制問題に関して、一種の宣戦布告を行い、その復帰は断念された。
やがて、その国家の危機を乗り越えたものの、1982年9月13日、バカンスからの帰り道に自らハンドルを握った車で崖から転落。同乗していた愛娘ステファニー公女は一命をとりとめたが、グレースは危篤状態となり、翌14日に、生命維持装置が外された。まだ、52歳だった。
グレース・ケリーが、いまも生きていれば85歳。神戸博「ポートピア’81」で来日した際には、濁った温泉、畳での就寝に難色を示した当時16歳のステファニー公女を、「日本には歴史ある文化があるのですから、体で独自の文化を理解するようにしなさい」と諭したとも言われている。
日本庭園を愛し、「HANAE MORI」の顧客でもあるなど、親日家としても知られていた彼女の人生に、今日14日は思いを馳せてみて。
『グレース・オブ・モナコ 公妃の切り札』は10月18日(土)TOHOシネマズ有楽座ほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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