巨匠イーストウッド、最新作で期待集めるも…アカデミー賞に無欲「ただ映画作りが楽しい」
『許されざる者』『ミリオンダラー・ベイビー』で2度のアカデミー賞「監督賞」に輝くクリント・イーストウッドが、ブラッドリー・クーパーを主演に迎え、重厚な人間ドラマを描き出す『アメリカン・スナイパー』。
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原作は、クリス・カイル本人による自伝「ネイビー・シールズ最強の狙撃手」。舞台となるのは、9.11以降のイラク戦争。米海軍特殊部隊ネイビー・シールズに所属するクリス・カイル(ブラドリー・クーパー)が命じられた任務は、「どんな過酷な状況でも仲間を守ること」。国の正義を信じ、実直に任務を遂行し続けた男は、仲間からは“レジェンド”と崇められ、イラク側からは“悪魔”と恐れられ、賞金がかけられるほどの存在となる。終わりのない戦争は幾度となく彼を戦場に向かわせるが、愛する家族を国に残した度重なる戦地への遠征は、クリスの心を徐々に蝕んでいき…。
この日、ブラッドリー、シエナ、イーストウッド監督の3人がレッドカーペッにト降り立つと、世界中から集まった報道陣や観客の熱狂で迎えられ、会場は大きな盛り上がりを見せた。
“伝説のスナイパー”と謳われる主人公・クリスを演じたブラッドリーは、巨匠イーストウッド監督との初タッグに「素晴らしい! 一生に一度の夢が叶った気分だよ!」と大興奮。さらにブラッドリーは、役づくりのために過酷なトレーニングと食事制限を敢行。外見を含めて、戦争により徐々に心が蝕まれていく主人公の心理を繊細に演じている。「大変な長い道のりでした。集中を要したし、大変だったけど、こういった犠牲が私にとってはクリス・カイルに近づく、準備の期間になりました」。
そして先日、“アカデミー前哨戦”といわれるナショナル・ボード・オブ・レビューで「監督賞」を受賞し、アカデミー賞受賞にも期待が集まるイーストウッド監督は、その意気込みを聞かれるも「あまり考えないようにしている」と謙虚な姿勢で答えながら穏やかな笑みを浮かべ、「ただ映画作りをしていることが楽しいし、私くらいの歳になると仕事を続けられることだけで光栄なんだ」と、84歳を迎えてもなお、あふれんばかりの創作意欲をのぞかせていた。
『アメリカン・スナイパー』は2015年2月21日(土)丸の内ピカデリー、新宿ピカデリー ほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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