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【シネマモード】美しくなるには、ときめきが必須? 『ボヴァリー夫人とパン屋』

夏本番となり、多くの女性が気になるのがボディライン。夏バテで食欲が落ちるこの季節、しかも大量の汗をかくとくれば、自然とウエイトコントロールができる…ハズなのに、

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ニールス・シュナイダー&ジェマ・アータートン/『ボヴァリー夫人とパン屋』-(C) 2014 - Albertine Productions -Cine-@ - Gaumont - Cinefrance 1888 - France 2 Cinema - British Film Institute
ニールス・シュナイダー&ジェマ・アータートン/『ボヴァリー夫人とパン屋』-(C) 2014 - Albertine Productions -Cine-@ - Gaumont - Cinefrance 1888 - France 2 Cinema - British Film Institute 全 7 枚
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夏本番となり、多くの女性が気になるのがボディライン。夏バテで食欲が落ちるこの季節、しかも大量の汗をかくとくれば、自然とウエイトコントロールができる…ハズなのに、なぜか旺盛のままで、痩せられそうな気がしません。しかも、現代は美味しいモノだらけ。続々と新作グルメが登場し、“ちょっと試してみるだけ”のはずが、はまりにはまってしまったなどということも。

実は、映画の中のヒロインもそうでした。フランス映画『ボヴァリー夫人とパン屋』の美しき英国人ヒロイン、ジェマ・ボヴァリーは、フランス西部ノルマンディ地方にある小さな村に夫チャーリーとともに引っ越してきました。向かいに住むのは、出版社を退職し家業のパン屋を切り盛りしているインテリのマルタン。要するに文学オタクで、愛読書「ボヴァリー夫人」のエマと、目の前のジェマの共通点を見つけては、喜んだり、興奮したり、心配したりと、1人でやきもきしているのです。一方のジェマはそうとも知らず、彼の作るパンに「さすがフランス!」と感激し、すっかり虜に。自分がこっそり観察されているとも知らず、毎日のようにマルタンのもとに通うのです。

彼女を魅了するのは、クロワッサン、バゲット、エピ、ヒマワリの種入りパン、マルチシリアルが入った“クロキネット”などなど。確かに美味しそうですが、それが甘い罠でした。しばらくすると、近所の奥様に“ちょっと太った?”と心無い言葉をかけられます。それまで、ノルマンディのグルメを食す幸せに浸りきっていた彼女も一念発起し、ダイエットと運動をスタート。パン屋にそれほど頻繁に通うこともなくなり、マルタンを寂しい気持ちにさせるのです。ジェマのグラマラスボディは同性から見ても官能的で美しいと思うのですが、スリムな奥様に“太った?”などと言われると、笑って済ませるわけにはいきません。ランニングを始めますが、あまり効果はない様子。ところが、そんな彼女があるときから突然に美しく輝き始めます。可愛らしい田舎娘風から、フランス風の美女に。その理由は、秘密の恋。小説「ボヴァリー夫人」さながらに、年下の美青年と出会い不倫していたのです。小説のように、破滅的な結末になるのではと心配したマルタンのあわてようも凄いのですが、やはり見どころはフランス人の恋に対する意識。

本作でメガホンを執ったのは、『ドライ・クリーニング』『恍惚』での官能表現でも評価されているアンヌ・フォンテーヌ監督。フランス人が持つ恋愛観を随所に散りばめ、それをジェマの変化に凝縮させました。それが、「恋は女を美しくする」ということ。「ダイエット? 運動? 無駄無駄。本当に美しくなりたいなら、恋をしないと」と鼻であしらわれているよう。フランス人にしてみれば至極当然の考え方が、そんな考えがこれでもかと表現されています。恋をした後のジェマの色香は、それまでの彼女と比べるとまるで別もの。すっきりとしたシルエット、雰囲気の違うファッション、常に上気したバラ色の頬など容姿だけでなく、恋する女の強さと弱さがないまぜになった心理とそこから生まれる大胆な行動の数々が、より女っぷりを上げるのかもしれません。

この夏、美しくなりたいのなら、ときめきを見つけるのが近道と、あなたの耳元で囁くフランス映画。ときめきたっぷりのあなたにも、ちょっと足りないあなたにも、ぜひ。

《牧口じゅん》

映画、だけではありません。 牧口じゅん

通信社勤務、映画祭事務局スタッフを経て、映画ライターに。映画専門サイト、女性誌男性誌などでコラムやインタビュー記事を執筆。旅、グルメなどカルチャー系取材多数。ドッグマッサージセラピストの資格を持ち、動物をこよなく愛する。趣味はクラシック音楽鑑賞。

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