【シネマ羅針盤】キアヌ・リーブスと3度目の対面、飾らぬ人柄は変わらず
最新作『ジョン・ウィック』を引っさげ、プロモーション来日を果たしたキアヌ・リーブスにインタビューする機会を得た。キアヌ本人に対面するのは3度目。復活作の呼び声も高い同作を熱っぽくアピールする姿には、変わらぬ飾らない人柄がにじみ出ていた。
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
初めてインタビューを行ったのは2006年秋。サンドラ・ブロックとともに共演作『イルマーレ』のPRで来日した際、同時期に公開される長編アニメ『スキャナー・ダークリー』の合同取材がセッティングされた。当時、駆け出しのライターだったので、非常に緊張したことを覚えている。キアヌ側の要請で編集者やカメラマンの立ち会いは禁じられ、だだっ広いホテルの宴会場にはキアヌ本人と通訳、そして我々インタビュアー数人のみがいるだけ。
確かに当時のキアヌは『マトリックス』3部作で、映画スターとして頂点を極めていた時期。ただ、実際にインタビューが始まると、その気さくな人柄によってピリピリした雰囲気は一気に和らいだ。ときにはじっと無言で考え込みながら、ひとつひとつの質問に丁寧に応じ、ある種の“不器用さ”も垣間見せる。取材時間は20分程度だったと記憶しているが、結果的には充実したインタビューとなり、駆け出しライターにとっても大きな糧となった。
2度目のインタビューは『47RONIN』の公開を控えた2013年11月で、共演した柴咲コウとのツーショット取材だった。柴咲さんに「今日はよろしくお願いします」と挨拶すると、すかさずキアヌから「いま、君が言った『よろしく』ってどういう意味?」と質問され、強い印象が残っている。いま思えば、いろいろ無理があった珍作だが、異なる文化を理解し、受け入れようとするキアヌの柔軟性が、わずかな救いになっていたような気がする。
先日都内で行った『ジョン・ウィック』のインタビューでも、いかに主人公が不幸な男であるか机をバンバン叩きながら訴え、話の流れで「ニャー」と猫の泣きマネまで披露してくれた(その姿をお見せできず残念!)。いまでは“ぼっち”写真が激写されたり、フラッと来日しSNSを騒がせたりと、その普通っぷりが広く知られるキアヌだが、最新作『ジョン・ウィック』では復活の言葉がふさわしい、ファン待望のキマった勇姿を堪能できる。
『ジョン・ウィック』は公開中。
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