【特報映像】孤独、哀しみ、愛情を生々しく描く…オダギリジョー主演『オーバー・フェンス』
オダギリジョー、蒼井優、松田翔太を迎え贈る佐藤泰志原作の函館三部作最終章『オーバー・フェンス』。この度、本作の特報映像が公開された…
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家庭をかえりみなかった男・白岩は、妻に見限られ東京から故郷の函館に戻りつつも、実家には顔を出さず職業訓練校に通いながら失業保険で暮らしていた。訓練校とアパートの往復、2本の缶ビールとコンビニ弁当の惰性の日々。白岩は、なんの楽しみもなくただ働いて死ぬだけ、そう思っていた。ある日、同じ職業訓練校に通う仲間の代島にキャバクラへ連れて行かれ、そこで鳥の動きを真似る風変りな若いホステスと出会う。名前は聡。「名前で苦労したけど親のこと悪く言わないで、頭悪いだけだから」そんな風に話す、どこか危うさを持つ美しい聡に、白岩は急速に強く惹かれていくが…。
原作は、『そこのみにて光輝く』や『海炭市叙景』が映画化され話題を呼んだ孤高の作家・佐藤氏の1989年に出版された「黄金の服」に所収される同名小説。 本作は、原作者が執筆活動を諦めかけた頃、函館の職業訓練校にて送った自身の経験を基に執筆し、最後の芥川賞候補作品となった作品だ。
主人公・白岩役にオダギリさん、白岩と恋に落ちる女性・聡役には『家族はつらいよ』の公開が控える蒼井さん、白岩と同じ職業訓練校の生徒・代島役に松田さんという豪華キャストが集結している。監督には『苦役列車』『味園ユニバース』など闇を抱えた人間たちに柔らかな光を与える名手・山下敦弘が務め、また『そこのみにて光輝く』の脚本を務めた高田亮を始めとする音楽、撮影、照明のスタッフ陣が再集結した。
今回解禁された特報は、鬱屈とした乾いた空気が流れる職業訓練校のワンシーン。函館の短い夏、自転車に乗り走っていく一人の男の背中、オダギリさん演じる主人公の白岩が路面電車を横目に、職業訓練校へ通うだけの毎日を繰り返し過ごす男の姿が映し出されている。
そしてフェンスの先、物憂げに何かを見つめる白岩の姿、赤い車の運転席から照れながらこちらに向けられる笑顔の蒼井さん演じる聡、色気ある佇まいでタバコを燻らせる松田さん演じる代島の姿が続けて登場。3人の視線が印象的な映像となっている。また冒頭から流れる独特の音楽が、函館の空気感を彷彿させるようだ。
『オーバー・フェンス』は9月、テアトル新宿ほか全国にて公開予定。
《シネマカフェ編集部》
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