【特別映像】ケイト・ウィンスレット、カリスマに“唯一”意見した女性を熱演『スティーブ・ジョブズ』
アップル社の共同設立者であり、現代のデジタルライフをガラリと変えてしまった最も有名なカリスマを、斬新な視点から描いた映画『スティーブ・ジョブス』』。本作でケイト・ウィンスレットが演じる
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ジョブズの生涯の最も波乱に満ちた時期の3大製品──1984年のMacintosh、Appleを追われて作った1988年のNeXT Cube、Appleに復帰して発表した1998年のiMacという3つの伝説的プレゼンテーションの“直前40分の舞台裏”にクローズアップし、単なる伝記映画やサクセスストーリーとは一線を画す本作。
そのジョブズに唯一、社内で立ち向かうことができたといわれるマーケティング担当のジョアンナ・ホフマンを演じているのがケイトだ。劇中では上司と部下としてのみならず、1人の人間としてジョブズにぶつかり、これまであまり注目されてこなかったカリスマの人間らしい部分を引き出しており、今回到着した本編映像も、そんな2人の特別な関係性が見て取れるものとなっている。
成長した娘リサとの関係に問題を抱えるジョブズ(マイケル・ファスベンダー)。リサの母親も絡んだ複雑な関係に葛藤を抱える彼は、相手が娘でも譲歩する姿勢は見せない。そんな彼に対し、ケイト演じるジョアンナは感情を露わにし、「(娘のもとに)行かなきゃ辞める」とまで言い放ち、リサとの和解を求めるのだ。
「ただ見ているだけ。私も共犯者よ」と、それまで、近くにいながらも2人の関係を修復できずにいたことへの後悔の念を告白し、彼が作ってきたどんなマシンよりも「父であること、それが最良の成果よ」とジョブズに訴えるジョアンナ。この言葉に、決して人の助言を聞くようなタイプではなかったジョブズも、考え込むような表情を見せている。
実は、社内で密かに行なわれていた「ジョブズに一番上手に立ち向かった社員賞」に連続で選ばれたというエピソードも持つ、ジョアンナ。本作において、この重要な役を演じたケイトは、見事ゴールデン・グローブ賞に輝いたほか、アカデミー賞にもノミネートされている。実際に本人に会い、当時の映像を見るチャンスに恵まれたというケイトは、ジョアンナの印象について「身長は160cmぐらいの、肉体的には比較的小柄な人であっても、精神的にはかなり大きな人だったんだと思う。こういう大きなジェスチャーとか、信じられないくらいの温かみと熱血を感じたわ」と語る。
さらに、本作でのジョアンナは、ただ単に当時の彼女の姿として描かれたのではなく、アップルで働いていた女性たちの象徴として描かれていると指摘。「本当のところ、強くて有能な女性はたくさんいて、みんな力を合わせてプロとしての役目を果たしていたのであって、アーロンはそういう女性たちの合成という形で、このキャラクターを使ったの」と明かしている。
本作のダニー・ボイル監督は、そんなケイトに対し「ジョアンナ・ホフマンはこのありえない人物を立て直そうとする門番的な存在であり、癒しの存在で、ケイトはすべてのディテールにおいてあの役を生きていた。セットにおいても、ストーリーの中においてもね」と絶賛。そして、「スティーブとリサの関係をつなぎとめられなかったことに、最終的には深い悔悟の念を持つんだ。そこがこの脚本の、そしてケイトのすばらしい演技の感動的な部分だね。そのへんの複雑な思いが彼女独自のリアルさで伝わってくる」と語っている。
また、ジョブズとジョアンナの特別な関係性は、演じたマイケルも認めるところで、「間違いなくジョブズの中にある人間的部分をすべて引き出せるのは彼女だけで、ケイトの演技はそこをよく掴んでいると思う」と明言する。
演技派ケイトが熱演するカリスマを支えた女性の姿を、この映像からも確かめてみて。
『スティーブ・ジョブズ』は2月12日(金)より全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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