坂本龍一「壮大なドラマを表現した」…『レヴェナント』音楽版予告解禁
俳優として5度目のノミネートでついにオスカーを獲得したレオナルド・ディカプリオが主演を務める、実話を基にした壮絶なサバイバル・ドラマ『レヴェナント:蘇えりし者』。このほど、ゴールデン・グローブ賞にもノミネートされた
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19世紀、未開拓の荒野が広がるアメリカを舞台に、狩猟中に熊に喉を裂かれ、瀕死の重傷を負ったヒュー・グラスの壮絶な生還と復讐劇を描く本作。ディカプリオ渾身の“静”の演技と圧倒的な映像美を、日本が世界に誇る音楽家・坂本さんの音楽が見事にまとめ上げている。
予告編の冒頭、坂本氏は「この作品には息を呑むような素晴らしい映像が詰まっています。私は音楽で、主人公ヒュー・グラスの壮大なドラマを表現しました」と明かす。今回の予告編は、初めて全てに劇中の音楽が使用された映像だ。この坂本氏の言葉通り、たっぷり150秒の映像では、大自然の中で繰り広げられるスペクタクルを音楽を通しても堪能することができる。
坂本氏は、本作の「まだまだ荒い編集の映像を監督と一緒に観て、音楽について実際の音を聞きながら長く話し合いました。初めて観たそのときから、この映画の主人公は“自然”だと思いました」と語る。本作で全てを包んでいるのは自然の大きさだと感じたそうで、「さらに(撮影監督エマニュエル・)ルベツキが自然光で素晴らしい精度で撮影していますよね。そこで人間ドラマを包む大きな自然というものを音楽で描きたかったのです」と続ける。到着した映像を観ても、グラス(ディカプリオ)やフィッツジェラルド(トム・ハーディ)らが織りなす複雑な人間ドラマとともに、人の手のおよばない荒々しくも壮大な自然が表現されていることが分かる。
『バベル』(’06)でも「美貌の青空」など坂本氏の2曲の楽曲を使用したイニャリトゥ監督は、「彼の曲には余計なものがなく優雅で感動的だ。今回の音楽には、感動的な静寂がある。静寂という“間”が映画にとって重要な役割を果たすんだ」と語り、大ファンでもある坂本氏の音楽が作品にとても重要な役割を果たしていると分析する。その一方で、坂本氏は「最初に電話を受けたときにも言っていたのが、『メロディよりもサウンドだ。サウンドの積み重ねが必要なのだ!』と。覚えやすいメロディの音楽を使う映画が多いのですが、そういうものを目指していたのではないということです」と名匠とのコラボレーションをふり返っている。
臨場感を極めた圧倒的なスケールの映像と、ディカプリオの鬼気迫る演技、それを彩る坂本氏の音楽の融合を、まずはこちらの映像から確かめてみて。
『レヴェナント:蘇えりし者』は4月22日(金)よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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