独自の世界観がジワジワくるヨーロッパ映画続々 『孤独のススメ』ほか
今年は特に、ヨーロッパ各国の映画が豊作だ。イタリアからは公開中の『これが私の人生設計』をはじめ『母よ、』『グランドフィナーレ』、英国からはアカデミー賞にシャーロット・ランプリングが初ノミネートされた『さざなみ』
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
そこで今回は、“ヨーロッパのへそ”と呼ばれるベルギーとそのお隣オランダから、独自の世界観にジワジワ引き込まれ、見れば元気が湧いてくる3作品をピックアップした。
■自分らしい生き方とは? オランダ発・人生やり直しドラマ『孤独のススメ』
まずは、ロッテルダム映画祭やモスクワ映画祭で「観客賞」を受賞するなど、多くの人々の心をとらえた『孤独のススメ』。妻に先立たれ、田舎町でおひとりさまの単調な日々を送るフレッドが、ある日突然現れた“言葉も過去も持たない男”によって、本当に大切なことに気づいてゆく様をユーモアたっぷりに描く。
コメディアンとしての経歴も持つオランダ人監督のディーデリク・エビンゲは、本作が長編デビュー作ながら、友人同士の個性派俳優陣たちと共に人生の可笑しさと感動を絶妙なバランスで創り上げ、世界中の観客を虜にした。ベルギーでロケを行ったフレッドが暮らす村の、まるでおとぎ話のような風景も見どころ。
■現代の神様はPCを操り、愛娘との関係に苦悩する!?『神様メール』
ジャレッド・レト主演の『ミスター・ノーバディ』以来6年ぶりとなる、ジャコ・ヴァン・ドルマン監督の新作は、神話とインターネット社会を結び付けた奇抜なファンタジー『神様メール』。
ブリュッセルのあるアパートで家族と一緒に暮らしている神様は、自分の部屋のパソコンで“世界”を管理し、勝手気ままに人間の運命を操っていた。そんな父に憤慨した10歳の娘エアは、それまで一歩も出たことがなかった街に出ることを決意するのだが…。イマジネーションとユーモア、慈愛が入り交じる本作は、ゴールデン・グローブ賞ノミネートをはじめ、世界の映画祭を驚嘆させている。大女優カトリーヌ・ドヌーヴのまさかの出演も要チェックだ。
■自殺を決めた主人公に待ち受けるサプライズ!?『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』
“オランダのウェス・アンダーソン”とも称され、「キャラクター 孤独な人の肖像」で第70回アカデミー「外国語映画賞」を受賞したマイケ・ファン・ディムが監督・脚本を手がけるコメディ『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』。自殺ほう助を行う謎の旅行代理店で巻き起こる騒動を描き、本国で大ヒットした。
その代理店を訪れ、いつどのように死ぬか分からない“サプライズコース”を選んだ孤独な大富豪が、同じコースを選んだ女性と出会い、やがて生きる意味を見出していくのだが…。主演を務めるのは、『LOFT-完全なる嘘(トリック)-』などに出演する“オランダの大泉洋”のような存在イェルン・ファン・コーニンスブルッヘ。チャーミングでハートフルなラブ・コメディにも、ぜひ注目を。
『孤独のススメ』は4月9日(土)よりシネマカリテほか全国にて順次公開。
『神様メール』は5月27日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。
『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』は5月28日(土)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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