【インタビュー】『世界一キライなあなたに』原作者&監督、迷いながら選んだラストに自信
イギリスをはじめ各国で話題を呼び、世界850万部を超えるベストセラーとなった恋愛小説が、満を持して映画化された『世界一キライなあなたに』。原作のジョジョ・モイーズが自ら脚本を手がけるとともに、ロイヤル・ナショナル・シアター
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ジョジョによると、小説のタイトルであり、原題の『Me Before You』は、「あなたと出会う前の私」という意味だという。イギリスのレトロな趣のある田舎町に暮らす、ファッションが大好きなルーことルイーザ・クラーク(エミリア・クラーク)と、バイクの事故により車椅子生活を送る元青年実業家ウィル・トレイナー(サム・クラフリン)は、彼女が彼の世話係兼話し相手を務めることになり、出会った。やがて2人はお互いにとって最愛の存在になっていくが、ある日、ルーはウィルの“ある決断”を知ってしまう…。
「撮影のときにスタッフがジョークを言っていたの。『この映画はクリネックスにスポンサーになってもらうべきだ』って。わかるでしょ?」と、いたずらっぽく問いかける原作者のジョジョ。本作は、とにかく泣ける…のに、なぜかその後に、じんわりと温かな気持ちになる不思議な魅力を持っている。
「実は映画の製作段階からすでに私たちは涙していたの。涙なしでは作れない作品だったわ。きっとキャラクターが脚本通りに表現されていれば、いろんな感情があふれ出るはずだし、その延長で笑いや涙も自然と生まれるの。(監督の)シーアは原作になるべく忠実なキャラクターを作ろうと努力してくれていた。だからこそ、映画を見ると自然に涙が出てしまうと思うの」と彼女は語る。
エミリア・クラークが演じた、本作の魅力を牽引する主人公・ルー(ルイーザ)というキャラクター像はどのようにして作られたのだろう?
「私はルイーザのことはごく普通の女の子だと思っているの。ルイーザは真っ直ぐな性格よ。でも、彼女の歩む道には困難がたくさんある。それでも彼女は優しさを忘れず、絶対に意地悪なことは言わないの。両親の教育が良かったのね。でもね、脚本を書いている段階で『汚い言葉を使うかしら? いや、使わないわ。こんなひどいこと言うかしら? いや、言わないわ』といろいろ迷いはあった。人物像はそうやって作り上げていくものだから」と、映画化への苦労に触れる。
さらに続けて、「おそらく特に若い女性は、彼女に共感する部分がたくさんあると思う。20代くらいの女性は『こんなに頑張ってるのに、どうしてうまくいかないのかしら』と思うものだし、そういう自分をルイーザに投影するはずよ。あれくらいの年齢の女性たちは、別に怠けているわけでも、意欲がないわけでもないけれど、思うようにいかなくてフラストレーションがたまるものなのよ」と、多くの女子たちの思いを代弁する。
《シネマカフェ編集部》
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