【インタビュー】『世界一キライなあなたに』原作者&監督、迷いながら選んだラストに自信
イギリスをはじめ各国で話題を呼び、世界850万部を超えるベストセラーとなった恋愛小説が、満を持して映画化された『世界一キライなあなたに』。原作のジョジョ・モイーズが自ら脚本を手がけるとともに、ロイヤル・ナショナル・シアター
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監督のシーアは語る。「エミリアは誰よりも先にスカイプで話した役者だった。だから脚本について話したのはエミリアが女優の中では一番最初だったの。そのときすでに彼女は小説を読んでいて、大好きだと言っていたわ。そのときの会話はすごく弾んだの」。その後もオーディションは続き、最終的には300人以上の女優と会ったという監督。「そのときに一番大切にしていたことは、役者がルイーザとウィルになっているところを想像して、彼らの間に素敵なケミストリーが生まれるかどうか。そうやって候補者を2014年の夏に男女6人にまで絞ったの」という。結果、最後にエミリアとようやく対面した監督は、「ルイーザがいた! ちゃんといるじゃない!」と、当初の直感が合っていたことに自信を覗かせる。
また、ウィル役の候補にも6人の俳優が選ばれたが、「最後にサムと(エミリア)の本読みになって、私の中に電撃が走ったの」と監督。「なかなか言葉では説明できないけれど、まるで現実に生きているルイーザとウィルを目の当たりにしたようだった。オーディションはものすごく長いプロセスだったけれど、2人がいてくれたおかげでキャスティングの決断には全く困らなかったわ」。
さらに、ジョジョも続ける。「私は作家だから演技に関しては詳しくないけれど、そんな私でさえもサムとエミリアの間にあったケミストリーがはっきりと分かった。ウィルとルイーザがスクリーンから飛び出してきたようで涙が出たわ」。「もし、舞台版『Me Before You』を作っていたとしたら、映画とはまったく違うキャスティングをしていたかもしれない」と監督は言う。「けれど、カメラは被写体に魔法をかけるの。サムとエミリアは魔法をかけられたわ。ハッとさせられたの」。
確かに映画を観ているうちに、どんどん2人の関係に引き込まれていく。だが、やがて、ある種の期待や予想を覆す展開が、この物語には訪れる。
原作のジョジョは、「ラストに関して、迷いはあった」と告白する。「私にとっては物語を書くとき、キャラクター作りが一番大変な作業なの。けれどウィルとルイーザに関しては、それがスムーズに進んだ。まるで彼らのすべてが分かっていたみたいに。この物語で真っ先に思いついたのは、車椅子でダンスするシーンだった。そこから彼らがどういう人物なのかを掘り下げていったの。まったく違う境遇にある2人を引き合わせるのは楽しかったし、物語を展開させて行くのも面白かった」。
しかし、「あるとき突然、『もう無理!』と自信をなくしてしまったの。私は普段、読者のためにも物語のラストは語らないように心がけているけれど、この物語を書いている途中にエージェントに電話して、ラストを2つ用意したいと提案したの。読者自身が最終的にどちらか選べるようにするというものだったわ。けれど、エージェントはそのアイデアには感心していなかった。そこで最初に考えていたラストに立ち返ったの。そうして正解だったと思ってるわ。私が選んだラストが、きっとキャラクターの気持ちに忠実だと思ってる。読者や観客の中には、もちろん賛成しない人もいるはずだけど、私にとって大切なのは、ウィルがなぜその決断を下したのか、なのよ」。
《シネマカフェ編集部》
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