オスカーにカンヌ…世界の映画界を席巻!3人のカナダ人監督に注目
『ダラス・バイヤーズクラブ』『わたしに会うまでの1600キロ』のジャン=マルク・ヴァレ監督が、ジェイク・ギレンホールを主演に贈る『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』。
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1:ジャン=マルク・ヴァレ監督 アカデミー賞ノミネート!『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』(2017年2月18日~公開)
『ナイトクローラー』で狂気的な演技で人々を魅了させたジェイクが、妻を亡くしたのに涙の一滴すら流せず、自らの感情とうまく向き合えない哀しみと虚しさを、繊細な演技で見事に表現した本作。
メガホンをとったのは、1963年、カナダ・モントリオール生まれのジャン=マルク・ヴァレ監督。モントリオール大学で映画製作を学び、’95に長編デビュー。2013年、『ダラス・バイヤーズクラブ』が数々の映画祭で高い評価を受け、第86回アカデミー賞では作品賞を含む6部門ノミネート、激ヤセしてHIV患者になりきったマシュー・マコノヒーとジャレッド・レトが主演男優賞・助演男優賞をW受賞した。また、2015年には、カナダ・フランスの合同製作『カフェ・ド・フロール』も話題を呼び、リース・ウィザースプーン主演『私に会うまでの1600キロ』では第87回アカデミー賞主演女優賞・助演女優賞の2部門にノミネートされた。
近年のこの3作品など、苦難や喪失と向き合いながら人生を切り拓いていく作品を数多く発表してきたマルク・ヴァレ監督。監督は、今回のジェイク主演の本作について、「この映画の脚本で描かれている、人生を再び歩み始めるための、そして光を見付けるための勇気がいる旅路が美しかった。この作品は苦悩について掘り下げようとしているように見えるけど。人生や愛を称賛しているんだ。だから惹かれたんだ」と、込めた思いを語っている。
2:グザヴィエ・ドラン監督 カンヌの申し子!『たかが世界の終り』(2017年2月11日~公開)
若手作家のルイ(ギャスパー・ウリエル)は自分がもうすぐ死ぬことを知らせるため、長らく疎遠にしていた母や兄夫婦、妹が暮らす故郷へ帰ってくる。しかし、家族と他愛のない会話を交わすうちに、告白するタイミングを失ってしまい…。劇作家ジャン=リュック・ラガルスの舞台劇「まさに世界の終わり」を原作に、自分の死期が近いことを伝えるため12年ぶりに帰郷した若手作家の苦悩と家族の葛藤や愛を描き、第69回カンヌ国際映画祭でグランプリに輝いた。
グザヴィエ・ドランもまたモントリオール出身。6歳のころから子役として映画やTVドラマに出演していたが、19歳で完成させた監督デビュー作『マイ・マザー』が、第62回カンヌ国際映画祭の監督週間に出品されるなど世界に衝撃を与え、その後も話題作を次々に発表。『Mommy/マミー』(’14)は第67回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で、ジャン=リュック・ゴダール監督の『さらば、愛の言葉よ』とともに審査員賞に輝いた。監督6作目『The Death and Life of John F. Donovan』(原題)でキット・ハリントン、ジェシカ・チャステイン、ナタリー・ポートマンらと初の英語作品に挑戦。また、俳優としても自身の作品ほか、『エレファント・ソング』『神のゆらぎ』などにも出演する。
3:ドゥニ・ビルヌーブ監督 SF界期待の実力派!『メッセージ』(2017年5月公開~)
星人とのコンタクトを描いた米作家テッド・チャンの短編小説「あなたの人生の物語」を映画化したSFドラマ。ある日、突如として地球上に降り立った巨大な球体型宇宙船。言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は、謎の知的生命体との意思疎通をはかる役目を担うこととなり、“彼ら”が人類に何を伝えようとしているのかを探っていくが…。
1967年、ケベック州トロワ・リビエール出身。数本の短編映画を制作した後、『Un 32 Aout Sur Terre(英題:32nd Day of August on Earth)』(’98)で長編監督デビューを果たす。アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされた『灼熱の魂』(’10)で国際的に注目を集め、2013年には米国進出作『プリズナーズ』と『複製された男』の2本のスリラーを発表し、カナダの俊英として高い評価を得る。麻薬戦争を題材にしたクライムアクション『ボーダーライン』を経て、傑作SFの続編『ブレードランナー 2049』でもメガホンを取る。
いずれも、カナダ・ケベック州という地で育った3人の“フレンチカナディアン”が、それぞれ独自の色を持った作品で2017年の映画界を賑わせる!
《シネマカフェ編集部》
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