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【シネマモード】幸せに暮らすためのヒントを探す『TOMORROW パーマネントライフを探して』

ここ数年は、ファッション業界でも“エコ・リュクス”“エシカル”というワードが普通に登場しています。地球にやさしくて贅沢、倫理的といった言葉の意味するところでも分かる…

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『TOMORROW パーマネントライフを探して』 (C)MOVEMOVIE - FRANCE 2 CINEMA - MELY PRODUCTIONS
『TOMORROW パーマネントライフを探して』 (C)MOVEMOVIE - FRANCE 2 CINEMA - MELY PRODUCTIONS 全 7 枚
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ここ数年は、ファッション業界でも“エコ・リュクス”“エシカル”というワードが普通に登場しています。地球にやさしくて贅沢、倫理的といった言葉の意味するところでも分かる通り、いまや環境や次世代を意識しておしゃれすることは当たり前というわけです。この意識は、さまざまな業界でも広がっています。とはいえ、まだまだ努力が必要で…。

とそんな中、シンプルで潔いライフスタイルで知られるフランスから小粋なドキュメンタリーが届きました。フランス人女優メラニー・ロランが、志を同じくする仲間と共に、今日、明日、そして未来までずっと幸せに暮らすためのヒントを探す『TOMORROW パーマネントライフを探して』です。

発端は、メラニーがある日知った衝撃的な事実。いまのままの生活を続ければ、人類は遠くない未来に絶滅する恐れがあると「ネイチャー」誌に掲載された論文に書かれていたのです。それを彼女に伝えたのは、友人でジャーナリスト&活動家のシリル・ディオン。妊娠中にその論文を呼んだメラニーはあまりのショックに1日中泣き続けたとか。「こんなふうに絶望感を突きつけてきたシリルを恨んだほどよ。研究論文を読んで以来、ポジティヴな映画を目指すことこそが重要だと考えるようになった。それこそが必要とされているものだって。その思いが原動力になっていった。女優として抜けられない仕事もあったけれど、この映画にとことん打ち込めるよう、そのうちのいくつかをキャンセルしたくらいよ」。

涙をぬぐい彼女が決意したのは、解決策を求めて、新しい暮らしを実践している人々を訪ねること。アメリカ、イギリス、ベルギー、インド、デンマーク、アイスランドそしてフランス。人々の取り組みは多岐に渡ります。地産地消、有機農業、代替エネルギーの利用、そして持続型農業である“パーマカルチャー”(パーマネント+アグリカルチャーを組み合わせた造語)、街中にエディブル・フラワーやハーブを植える“インクレディブル・エディブル(みんなの菜園)”運動。関係者たちと話をしながら、地球の未来を探っていきます。

独自のアイディアと地域性を生かした新しい発想に、人間が持つイマジネーションとクリエイティビティでここまでライフスタイルは変わるのだと驚かされます。明確な章立て、時折差し挟まれるヴィジュアル・エイドもキュートでわかりやすくて、エコの知識がない人から、また高い関心を寄せる人まで、幅広く学べる演出も魅力です。

居心地の良い既存のライフスタイルですが、これを続けることが不可能ならば、やはり別の選択肢を考えなければいけないのは当然のこと。人類はいつだって、知恵で困難や危機を乗り切ってきたのですから、きっとこの難題だって乗り越えられる。絶望的な論文にはじまりながらも、そんな希望を芽生えさせてくれるのが本作。自分が置かれているいまを知り、ここから繋がっている未来について考えるためにも、ぜひ観ていただきたい一作です。

《牧口じゅん》

映画、だけではありません。 牧口じゅん

通信社勤務、映画祭事務局スタッフを経て、映画ライターに。映画専門サイト、女性誌男性誌などでコラムやインタビュー記事を執筆。旅、グルメなどカルチャー系取材多数。ドッグマッサージセラピストの資格を持ち、動物をこよなく愛する。趣味はクラシック音楽鑑賞。

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