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【インタビュー】声優・三木眞一郎、“吹き替え”の魅力を語る!ロングインタビュー

「銀魂」坂本辰馬役や「薄桜鬼」土方歳三役など、コミカルなキャラクターから爽やかなイケメン、はたまた渋さ冴える年上男性や兄貴肌な役柄まで…その奥深い声と高い演技力で演じ分け人気を博す声優・三木眞一郎。

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■“吹き替え”版ならではの見どころは「作品の中身に集中できる」

声色、息、表情、心のあり方…様々な要素を駆使して、“吹き替え”版として作品を成り立たせている声優。彼らが思う、“吹き替え”版の良さとは?

「吹き替え版は見ていて疲れないことですね。僕は単館上映の映画をよく見に行くんですけど、この前もドイツの検事がナチスの戦犯を告発する映画を見に行ったですけど、難しい漢字の用語が何個も出てきたり、国を行ったり来たりして、色々なヨーロッパの国の人たちが出てくるので、字幕を追いかけるだけで、疲れてしまったんですよね。字幕を追いかけて、頭の中で構築しているから、役者の表情などが分からなくて、そうするとキーになる動作とか、伏線になっている小道具とかを見落としてしまう可能性があるんですよ。それがダメだと思ってしまって、そう感じると、吹き替えが絶対に良いと思うんですよね。吹き替えは作品の中身に集中できると思いますよ。ただ声優として上手い人に限りますけどね(笑)」。

ここで言う“上手い人”とは、声の質などではない。「ちゃんと作品として世に送り出そうという思い」があり、「その声と芝居をもってして、その役から剥がれないでいられるか」ということだ。

「映像の仕事も、舞台の仕事も、声の仕事もなんですけど、全体で異物感が無ければ誰がやってもオーケーだと思います。全体の声の並びで、ある声が浮いて聞こえたらやっぱりよくないでしょうしね。特に映像の方が声の仕事をされる場合、本人の顔が浮かんできちゃうのが邪魔になることがありますよね。その声を聞いていると、その人の顔がどっかに浮かんだりするじゃないですか。そうすると、このセリフはこの役者が言っているんじゃなくて、吹き替えている人のクセだなとなりかねないんですよね。作品を良くするためという前提はありますけど、異物感さえなければ、どなたがやられてもいいとは思いますよ。ハマっているなら素人がやったっていいわけですからね」。

■“吹き替え”たい作品は「ちょっと脱力して見られるハチャメチャな作品」

1994年放送「キャプテン翼J」若林源三役をはじめ現在に至るまで…長く第一線で活躍してきた三木さん。過去出演作品をみてみると、ラブストーリーからコメディ、アクション、サスペンス、ミステリー…縦横無尽に様々なジャンルの作品・世界観を彩っている。そんな三木さんが、これから先、演じてみたい世界観とは?

「昔の作品ですけど、『爆発デューク』、『宇宙空母ギャラクティカ』、『アメリカン・ヒーロー』、『白バイ野郎ジョン&パンチ』のような、ちょっと脱力して見られるハチャメチャな作品がいいですね。『爆発デューク』はアクションを『特攻野郎Aチーム』と同じ人(注:クレイグ・R・バクスリー。『爆発!デューク』や『特攻野郎Aチーム』などのアクション演出を担当)がやっているそうなんですよ。それに、神谷明さん、富山敬さん、毒蝮三太夫さん、八奈見乗児さんらが吹き替えをされていました。キャスティングの名前を見ただけで笑えるじゃないですか(笑)。いまの作品は理詰めのものが多いので、脱力して見られる、いい意味でバカだなと思えるような、お笑いじゃないんだけど、生きている人間は真面目に生きているのが面白いというようなドラマがあるなら、やってみたいですね」。

「『爆発デューク』なんか、僕と森川(智之)君とか、三石琴乃ちゃんとか久川綾ちゃんとか、僕らの世代で吹き替えたら面白いと思いますよ(笑)。それに、農場のおじさん役に飯塚昭三さん、保安官役に石塚運昇さんが入ったら、本当に面白い吹き替えができると思いますよ(笑)。現在やっている仕事がどうこうじゃなくて、憧れていたという意味でやってみたいですね。お酒を飲みながら、ゆっくり見られるようなドラマもいいかなと思いますね」。

これは、まさに声優ファン歓喜のキャスティング構想! 是非とも実現してほしいものだ。

■“吹き替え”界の将来に思いを馳せる 「真摯に作品を見てくださる人に届ける」

声優人気を牽引し続ける宮野真守が、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』で主演のエディ・レッドメインの吹き替えを務め、大ヒットを記録した2016年。海外ドラマや洋画の吹き替え版に、アニメーションやゲームでも人気の声優がキャスティングされ、それをきっかけに作品を観る視聴者が増えてきた。そういった現状のなか、今後の“吹き替え”界に、三木さんはどんな思いを馳せるのか? 期待をふくらませる中にも、“吹き替え”の更なる発展を願い、それを実行しようとする、強い決意が垣間見えた。 

「予算が増えて欲しいですね(笑)。業界的な話しになりますが、シリーズものであれば、予算に対するやり方はあるんですけどね。ここは若手の声優を多くして、ここのゲストに大御所を呼ぶというような、トータルで“ならし”をすることはできると思うんですよ。『エレメンタリー』はそうなんですが、ゲストで大御所を呼べるというのは、そういう“ならし”の部分もがあるからでしょうね」。

「それと、全員が一回気を引き締めて、真摯に作品を見てくださる人に届けるという思いがもっと強くなれば、吹き替え版を選ぶ人たちを増やすことができると思いますし、そういう業界になればいいなと思いますね」。


“声優・三木眞一郎”――その声に、言葉に、真摯に仕事に向かう姿勢に、魅力を感じずにはいられない。彼がその声で紡ぐ物語が、彼の願い通り、より多くの人たちに届いていくことは間違いないだろう。

三木さんは、現在、「Dlife」にて放送中の「エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY」に出演中。また、「Dlife」にて現在行われている特別企画「海外ドラマ SO!選挙」にも、応援隊として参加している。

特別企画「海外ドラマ SO!選挙」とは、BSテレビ局「Dlife」が開局5周年を迎えるにあたり、人気の海外ドラマの中から投票で放送番組を決定するアニバーサリー企画。全35作品を5つのジャンル=“党”(メディカル・サイエンス党、刑事・捜査党、サスペンス党、ウーマン・エレガン党、なかよしバディ党)に分け、視聴者から投票を募っている。3月5日(日)まで公式サイトにて投票を受け付けており、結果は3月13日(月)に放送される開票特番にて発表されるほか、上位に選ばれた人気ドラマは連日一挙放送されるという。三木さんは、本企画にて“サスペンス党”の応援隊を担当中だ。
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《シネマカフェ編集部》

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