綾野剛&村上虹郎、対照的な“母”への思い…『武曲 MUKOKU』
綾野剛が「フランケンシュタインの恋」の“怪物さん”とは一転、村上虹郎と激しく剣を交え “闘う男”を演じる『武曲
MUKOKU』。本日の「母の日」にちなみ、この運命が交錯し、闘いに導かれて
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海と緑の街、鎌倉。矢田部研吾は、幼いころから剣道の達人だった父に鍛えられ、その世界で一目置かれる存在となった。ところが、父にまつわるある事件から、研吾は生きる気力を失い、どん底の日々を送っている。そんな中、研吾のもう1人の師匠である光邑師範が彼を立ち直らせようと、ラップのリリック作りに夢中な少年、羽田融を送り込む。彼こそが、本人も知らない恐るべき剣の才能の持ち主だった――。
綾野さんが剣の猛特訓を受け、見事に鍛え上げた肉体を披露する本作。剣を棄てた男・研吾(綾野さん)は、1人で住むには余りに広い日本家屋に1人暮らし。行きつけにする小料理屋の女将・三津子(風吹ジュン)が、日々酔いつぶれてばかりの研吾をたしなめながらも、優しく受け止めている。研吾は思春期に母を亡くし、そのことが、彼と剣の師匠でもある父・将造(小林薫)との間に確執を生むきっかけとなった。将造の古い知り合いである三津子は、父子の複雑な関係をよく知り、どんなときも研吾に温かい視線を送る“もう1人” の母親のような存在だ。
一方、研吾に向かっていくことになる高校生・融(村上さん)には父がおらず、母の希美(片岡礼子)とアパート暮らし。質素な暮らしながら、そのやりとりからは2人の仲の良さが伺え、融がこの母のもとで素直に育ってきたことが分かる。
劇中では、研吾が幼いころから、日本刀を突きつけるような容赦ない将造に育てられてきた成長の過程も描かれているが、父への恐れが次第に憎悪へと変わっていく研吾に対し、生前の母・静子(神野三鈴)は何も言えず、息子をただ案じることしかできなかった。
そんな研吾と融の境遇、そして母への思いはあまりにも対照的。やがては1対1の激しい闘いに臨むことになる男たちを巡る、“母”にも注目してみてほしい。
『武曲 MUKOKU』は6月3日(土)より全国にて公開。
《シネマカフェ編集部》
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