2001年9月11日、ニューヨーク。ワールドトレードセンタービルのエレベーターに偶然居合わせた、実業家のジェフリー(チャーリー・シーン)と離婚調停中の妻イヴ(ジーナ・ガーション)、バイクメッセンジャーのマイケル、恋人に別れを告げに来たティナ、ビルの保全技術者のエディの5人。突如、ビルに飛行機が激突し、彼らは北棟の38階辺りに閉じ込められてしまう。外部との唯一のつながりは、オペレーターのメッツィー(ウーピー・ゴールドバーグ)との通信だけ。恐怖と闘いながら外への逃げ道を探す5人が極限状態で下した決断とは…。
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日米ほぼ同時公開(日本9月9日、全米9月8日)となる本作で、主演を務めるチャーリーは久々のスクリーンカムバック。だが、出演が決まるまでの道のりは一筋縄ではいかなかったとマルティン・ギギ監督はふり返っている。
「脚本を書き始めたときから、ニューヨーク出身であるチャーリーに主役を演じてほしいと考えていました。しかし、最初の脚本を送った段階では断られてしまった。チャーリーにとっては、久々のスクリーン復帰作であることに加え、実際に9・11で友人を亡くしており、この題材についてはことさら慎重でした」と明かす。「しかし、『あなたがいないとこの映画は作れない。あの日が皆に忘れ去られないために、絶対に伝えないといけないストーリーなんだ』という思いを伝えると出演を決めてくれました」と、監督が直談判したことを激白する。
そのチャーリーは、「9・11を内側から描くストーリーはあまりないと思う」と語る。「いったい何が外で起きているのか、状況が分からないまま耐え抜こうとする人々を演じるのはとても難しかった。ほとんどがクローズアップでその瞬間に意識を集中させること、信頼をすることを学んだよ。ジーナはエネルギーに溢れていて素晴らしかった。僕たち夫婦の関係は、重大な決断と同じように、些細で取るに足りないと思われる決断がどれだけ運命を左右するかを表しているんだ」とコメント。
また、ニューヨーク在住であり、同じく強い思い入れのあったジーナは、「これは私たちの話でもあるの、自宅もあの現場に近いわ。以前なら(9・11を描くのは)早すぎたかもしれない。16年経ったいまだから、私たちに何が起きて何を経験したのかを理解し、残っているものは何なのかを考えられると思った。この事件を生き延びた人々に敬意を払い、その経験をないがしろにしてはならないわ」と語る。
そして、離婚寸前の夫婦をチャーリーと共に演じたことについて、「(イヴは)冷静に見えるけれど実は悲しんでる。愛した男と離婚するからよ。彼女は夫から離れようとしていたけど、思いもよらない悲劇に直面し、2人はお互いに強い絆で結ばれている、まだ愛があることに気づいたの」。
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結婚生活の終焉を迎え、離婚を成立させるための話し合いにきた夫婦が、その日、ワールドトレードセンターのエレベーターに乗ったことで、2人の人生は誰にも予測できなかった形で再び結びつくこととなる。自分にとって、愛する人にとって、かけがえなく大切なものは何なのか、本作は改めて見つめ直すきっかけをくれるはずだ。
『ナインイレヴン 運命を分けた日』は新宿武蔵野館、丸の内TOEIほか全国にて公開中。