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トム・フォード、伝説のデザイナーにして世界が認める映画監督に!

エイミー・アダムスやジェイク・ギレンホールを迎え、世界的ファッションデザイナーのトム・フォードが『シングルマン』以来、7年ぶりに監督を務めた『ノクターナル・アニマルズ』。自身で脚本も

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トム・フォード/『ノクターナル・アニマルズ』(C)Universal Pictures
トム・フォード/『ノクターナル・アニマルズ』(C)Universal Pictures 全 18 枚
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エイミー・アダムスやジェイク・ギレンホールを迎え、世界的ファッションデザイナーのトム・フォードが『シングルマン』以来、7年ぶりに監督を務めた『ノクターナル・アニマルズ』。自身で脚本も手掛けたスリリングでミステリアスな展開と、細部までこだわった映像美には世界中が絶賛を贈っており、ヴェネチア国際映画祭では審査員グランプリ、助演のマイケル・シャノンがオスカーにノミネートされ、同じくアーロン・テイラー=ジョンソンがゴールデン・グローブ賞に輝いている。

ファッション界のみならず、映画界でも類まれなる才能を発揮するトム・フォードとは、どんな人物なのか、その魅力に迫った。

■「グッチ」を立て直したファッション界の生きる伝説


1961年8月27日、テキサス生まれのトム・フォードは、ニューヨーク大学で美術史を専攻後、編入したパーソンズ美術大学で建築を学ぶ。あまり知られていないが、在学中に俳優を志し、CM出演も果たしている。70年代のニューヨーク、ビアンカ・ジャガーやデヴィッド・ボウイ、マイケル・ジャクソン、トルーマン・カポーティなど錚々たるメンバーが足を運んだ最先端のナイトスポット「スタジオ54」に出入りし、アンディー・ウォーホルら時代の寵児たちと親交を深め、ファッションやアートの世界にも傾倒していく。

その後、キャシー・ハードウィックとペリーエリスのもとファッション業界で才能を発揮し、注目を集める。94年、「グッチ(GUCCI)」のクリエイティブディレクターに就任。しかし、当時の「グッチ」は深刻な業績不振で経営が危ぶまれており、トム・フォードは立て直しに奮闘。それまでのクラシックなイメージを一新し、セクシーでゴージャス、かつモードな「グッチ」を確立させた。その成果は、トム・フォードがクリエイティブディレクターに就任してから10年で、売り上げをおよそ13倍に伸ばしていることでもわかる。この復活劇は「トム・フォード シンドローム」と呼ばれ、ファッション業界では伝説として語り継がれている。

トム・フォード/『ノクターナル・アニマルズ』(C)Universal Pictures
2000年には「イヴ・サン=ローラン(Yves Saint-Laurent)」と「グッチ」グループ全体におけるクリエイティブディレクターに就任。05年、自身の名を冠したブランド「トム・フォード(TOMFORD)」を設立。14年には、ファッション業界のアカデミー賞にあたるCFDA賞のジェフリー・ビーン生涯功労賞を、15年にはメンズウェア・デザイナー・オブ・ザ・イヤーなど、これまで7度の受賞に輝き、不動の地位を確立した。

■ジェームズ・ボンド着用スーツとして知られる


デザイナーとしてはもちろん、経営的な観点も併せ持った才能で長年ファッション業界の第一線を走ってきたトム・フォード。そんな彼のブランドは、『007 慰めの報酬』から、ダニエル・クレイグ演じるジェームズ・ボンドが着るスーツを衣装提供していることでも知られる。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』では、トニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)が「(アイアンマンのスーツはないけど)「トム・フォードのなら」と話すシーンもあった。

また、アカデミー賞などの場でも着用する俳優やセレブは多く、最近では『ベイビー・ドライバー』で主演を務めたアンセル・エルゴートがオフィシャルイベントで身に着けていたことが記憶に新しい。「トム・フォード」がお気に入りと公言しているオスカー女優ジュリアン・ムーアは、監督デビュー作『シングルマン』に出演するなど、多くのハリウッドスターから愛されている。

■映画監督デビュー作でコリン・ファースがヴェネチア男優賞!


ファッション界で成功を収める一方、2005年、映画製作会社フェイド・トゥ・ブラックを設立し、長年熱い想いを秘めていた映画の世界へ進出。09年に、クリストファー・イシャーウッドの小説に基づく『シングルマン』で映画監督デビューを果たし、同作では共同脚本、製作も務めた。

『シングルマン』 -(C) 2009 Fade to Black Productions, Inc. All Rights Reserved.
同作での独特の映像美と世界観は絶賛され、主演のコリン・ファースは、ヴェネチア国際映画祭男優賞、英国アカデミー賞主演男優賞を受賞。アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞など多数の賞にノミネートされ、トム・フォード自身も初監督作品とは思えない、異例の高評価を得た。

■最新作は究極まで感覚を刺激される美しくも危ういミステリー


監督2作目となる『ノクターナル・アニマルズ』は、ヴェネチア国際映画祭審査員グランプリほか、ゴールデン・グローブ賞では監督賞、脚本賞にノミネートされ、賞レースを席巻。米作家オースティン・ライトの原作に惚れ込んだトム・フォードが1人で脚本を担当。20年前に別れた夫から送られてきた1冊の“小説”と、“過去”、そして“現在”が複雑に絡み合い、曖昧になっていくミステリアスな物語を描き出し、映画祭では脚色賞も受賞するなど、才能を発揮している。

『ノクターナル・アニマルズ』(C)Universal Pictures
ファッション同様、一切妥協をしないトム・フォードこだわりの映像美と緻密な脚本で映し出される極上のミステリー作品。天が二物どころか、幾つもの才能を与えたトム・フォードが、新たに生み出した傑作を、スクリーンで体感してみて。

『ノクターナル・アニマルズ』は11月3日(金・祝)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。

《シネマカフェ編集部》

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