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受賞後の公式記者会見で是枝監督は、今回受賞した『万引き家族』で描いた“家族像”について、「『そして父になる』は、“家族は時間なのか血なのか”ということを問いながら作った映画だったんですけど、その先に、産まないと親になれないのだろうかという問いを立ててみようと思いました。今回の物語の中心にいるのは、自分の子どもではない子どもを育てながら父親に、母親になりたいと思う、そういう人たちの話をやろうと思ったのが最初でした」とコメント。
「彼らをどういう状況に置こうかというのを考えたときに、ここ数年日本で起きているいくつかの家族をめぐる出来事を、新聞とかニュースで目にしたとき、経済的にかなり追い込まれた状況で、万引きとか年金を不正に受給することでかろうじて生活を成り立たせている家族というものの中に、そういうテーマ、モチーフを持ち込んでみようかなと思ったのが今回の映画になりました」とその経緯を明かしていた。

また、審査員長を務めたケイト・ブランシェットが閉会式で「invisible people(見えない人々)」が今回の大きなテーマと語っていたことについて、「『誰も知らない』のときにも、社会から見えなくなっている子どもたちをどう可視化するかということを考えながら撮った」と触れながら、「今回もスタンスとしては同じなので、やはりそれを見過ごしてしまう、もしくは目をそむけてしまいがちの人々をどう可視化するかということ」が監督自身のスタンスと語り、「今回はかなりストレートに反映された映画だったというのは間違いなく思っています。(だからこそ)ブランシェットさんの言葉はすごく嬉しく聞きました」とも現地の囲み取材で語っている。
■“万引き家族”からも歓喜のコメント到着!
「リリーさんとかサクラさんと子どもたちも含め、トロフィーを持って会えるといいなと思っています」という是枝監督に、キャスト陣からも喜びのコメントが到着している。
リリー・フランキー
監督、本当に本当におめでとうございます! 獲ると信じていましたが、現実になると驚きと感動でじんましんが出ました(実話)。監督、めちゃくちゃカッコいいです!
安藤サクラ
やったー! 本当におめでとうございます!! こんな特別な瞬間を共有できること、こころから嬉しく思います! 万歳!
松岡茉優
あの家族はいたのだと肯定してもらったようで嬉しいです。思い出をいつまでも愛しています。
樹木希林
往きの飛行機の避雷針が雷を受けました。異様な響きと共に私の座席の天井が破け、酸素マスクや破片やゴミや、バラバラッと落ちて来ました。「是枝さんもうくす玉が割れちゃったから賞はおしまい」-----の筈がめでたいことです。
子役・城桧吏
是枝監督、関係者のみなさま「パルムドール」受賞、本当におめでとうございます! 『万引き家族』という作品に出演できて、改めてとても嬉しい気持ちです。監督と家族6人でカンヌへ行けて、一生の思い出になりました。本当にありがとうございました。
子役・佐々木みゆ
やったーーー!!!!!!!! かんとくおめでとうございます! みんなでさつえいがんばったから 、とってもうれしいです。はやくかぞくのみんなにあいたいです!
■審査員の公式記者会見コメント
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ケイト・ブランシェット
この作品は演技、監督、撮影、など総合的に素晴らしかった。選ぶにあたって気に入っていた作品を落とさないといけないのはつらかったし、難しかったけど最終的に私たちは意見が合致したの。『万引き家族』はとにかく素晴らしかったわ。
ドゥニ・ヴィルヌーブ監督
この作品は私たちに深い感動を与えてくれました。とにかく恋に落ちてしまった。上品で素晴らしくとても深い。魂をわし掴みにされた。
『万引き家族』は6月8日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。