ストーリー
ギターの弾き語りが心地よく響く仙台駅前。大型ビジョンからは、ボクシング世界戦のタイトルマッチに沸く声。「劇的な出会い」を待つだけのボク・佐藤(三浦春馬)は、街頭アンケートを実施中だ。いまどき、なかなか相手にしてもらえない中、珍しく快く応えてくれたのはリクルートスーツの女性(多部未華子)。手には「シャンプー」の文字。これって運命? そういえば居酒屋で雇われ店長をやっている親友が言ってた、「出会いなんてどうだっていい、後で自分の幸運に感謝できるのが一番だ」って。確かに、あいつは分不相応なほど美人の奥さんと可愛い娘がいて、幸せそうにやってる。運命って、奇跡って、幸せって? 音と音がつながってメロディが生まれるように、誰かと誰かがつながって物語が生まれる――それは、恋とか愛にまつわる物語。

また、ヘビー級ボクサー役に抜擢された成田瑛基は、映画『セトウツミ』や『デメキン』などに抜擢され、空手やテコンドーなどを特技とし、その身体能力を活かしたアクション作品にも多数出演する俳優として注目を集めている。本作では約3か月もの間、本格的トレーニングで肉体と精神を追い込み、10kgの増量を果たした上に体脂肪率を9%まで絞るという本物のボクサーさながらの徹底的な身体作りと役作りを行った。その完璧なまでの風貌で、日本人初のヘビー級ボクシング世界チャンピオン、ウィンストン小野こと小野学役に挑む姿に注目したい。
さらに、本作で謎のストリートミュージシャンを演じるのは、「メンズノンノ」モデルを5年間務め、バンドグループ「THE TOKYO」ではギタリストとして、またソロではフォークシンガーとしてもライブ活動をするなど、多岐に渡る活動で、アーティストとしての顔を持つこだまたいち。今回彼が抜擢されたのは、その独特な魅力が存分に発揮されるストリートミュージシャン・斉藤さん役。伊坂作品の定番の舞台といえば仙台だが、10年もの間、仙台駅前のペデストリアンデッキで同じ楽曲の弾き語りを続ける謎のストリートミュージシャンとして、劇中で歌声を披露している。
三者三様、個性豊かな実力派若手俳優が加わり、期待が高まるばかりの本作をぜひチェックして。
『アイネクライネナハトムジーク』は2019年秋、全国にて公開。