■ストーリー
イタリア・ローマ。広告代理店に勤めるテオは典型的なプレイボーイで、仕事漬けの毎日を送っている。ある日、暗闇の中を白杖で進むダイアログ・イン・ザ・ダーク(DID)のワークショップに参加した彼は、アテンドスタッフとして働いていた盲目の女性・エマの声に魅せられる。思春期に視力を失った彼女は、フランス人の夫と離婚したのち、オステオパシー(理学療法士)の施術者として自立して生きている女性だった。
テオは急速に彼女に惹かれ、ふたりは関係を深めていくが、テオは恋人グレタと向き合えないままだった。そして、テオとエマがスーパーマーケットで一緒のとき、グレタが鉢合わせしてしまう。テオがグレタに「ボランティアをしている」と言い訳していたことを知り、深く傷ついたエマは…。
■主人公は実際の人びとに触発されて作り上げたキャラクター
世界三大映画祭のひとつ、「ヴェネチア国際映画祭」で世界初上映されたイタリアの名匠シルヴィオ・ソルディーニ監督の最新作となる本作は、ローマを舞台に、盲目で視覚が“みえない”が自立して生きるエマと、内面を“みつめる”ことに臆病な広告マンでプレイボーイのテオ、相反する2人の大人の恋の行方を描いた珠玉のラブ・ストーリーだ。
盲目の女性・エマを演じたのは、名作『レインマン』などに出演、ヴェネチア国際映画祭では2度の主演女優賞に輝いたイタリアを代表する演技派女優のヴァレリア・ゴリノ。エマはソルディーニ監督が前作のドキュメンタリー『多様な目』で出会った、盲目でありながらも毅然と生きる人びとに触発されて作り上げたキャラクターになっているという。
またプレイボーイ・テオは、俳優ジャンカルロ・ジャンニーニの息子で、『スウェプト・アウェイ』などに出演するアドリアーノ・ジャンニーニが好演している。
『エマの瞳』は2019年3月、新宿武蔵野館、横浜シネマ・ジャック&ベティほか全国にて公開予定。