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クリスマスを舞台にした映画といえば、家族に置き去りにされた少年が2人の強盗から家を守ろうとする『ホーム・アローン』(1990)や、同時進行する9つの“愛“の物語を描いた『ラブ・アクチュアリー』(2003)などストーリーを楽しめるものが多かったが、ストーリーに加えて、それらの作品にはない本作のもう1つの魅力が、いま観客を虜にしているようだ。
例えば、お菓子の国の統治者シュガー・プラム(キーラ・ナイトレイ)が身に着けている、結晶化した砂糖のような淡いピンク色のドレス。それは衣装担当者たちが最も骨を折ったドレスでもあり、実際に“砂糖菓子”を研究することからはじめ、製作には1,000時間以上を要した。
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シュガー・プラム以外のキャラクターにも独創的で色鮮やかな衣装が施されており、2度アカデミー賞受賞経験のある、衣装担当のジェニー・ビーヴァンの才能が光っている。さらに「本物だと信じられるような世界を作りたかった」と語るプロデューサーのマーク・ゴードンは、リアリティを感じてもらうため、いくつかのセットを実際に建てたそう。そのこだわりから、最初から最後まで、観客が圧倒されるようなスケールの世界が開けている。
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その衣装と舞台を包み込むのは、誰もが一度は聞いたことのあるチャイコフスキーの美しい楽曲たち。それらを奏でるのは、ピアノ界の異端児ラン・ランや若き天才指揮者グスターボ・ドゥダメルという、現代音楽を代表するアーティストたちが名を連ねている。
主演のマッケンジー・フォイも「映画のセットに足を踏み入れると、完全に違う世界へと導かれるの。それは私が今まで目にした中で、最高にクールなものだったわ」と語っており、バレエの「くるみ割り人形」がクリスマスの風物詩として愛されてきたように、本作もまた製作陣たちの尽力によって“新たなクリスマス映画”として注目を浴びている。
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そんな製作陣の強い想いが詰まった豪華な世界は、まさに素敵なクリスマスを過ごしたいと思っている人の背中を押してくれる作品。今年の冬は、ちょっと気になっているあの人や大切な人を誘って、劇場で夢のような時間を過ごしてみては?
『くるみ割り人形と秘密の王国』は全国にて公開中。