UTAさんといえば、2004年以来15年にわたり「伊右衛門」ブランドの“顔”を務めてきた俳優・本木さんの長男。中学時代から家族と離れて暮らし、現在はアメリカで大学生活を送り、バスケットボールの選手やモデルの仕事の1つ1つに果敢にトライしながら、この先の人生を模索している平成生まれの21歳。先日亡くなった内田裕也さんと昨年9月に亡くなった樹木希林さんの孫にあたる。
今回の写真は、4月9日(火)の日本経済新聞朝刊に全面広告として掲載されるもので、UTAさんが父・本木さんの肩を組む、父子が初めて並ぶ“家族写真”が実現。まっすぐに正面を見据える2人の眼差しが印象的だ。
この“家族写真”は、2019年正月の帰省時に本木さんやUTAさんの家族によって撮影された。撮影には制作スタッフや広告カメラマンは一切介在せず、アングル、ポーズ、ロケーションなど全てを本木さんたち自身で進められたという。
広告の企画意図やコピーに込めた思いを伝えたのみで、父子2人は試行錯誤を重ねながら数日にわたって撮影。撮影されたカットは100枚を超えたという。今回使用された1枚は、ふと日差しがいいと気づいた家族に声をかけられて撮影したものだったとか。制作陣からは写真を見た瞬間、「この写真は自分たちには撮れない」と感嘆の声が上がったという。
UTA「一緒に背負っていくんだという緊張感が湧きました」
「あえて親子共演するということは、恥ずかしいという思いはありました」と本木さん。心を決めてからは「UTAとセルフィーを試したり、家族にカメラを覗いてもらったりしながら撮り始めた」と話す。また、UTAさんは「幼い頃から父の仕事を見続けてきたので、それを今回一緒に背負っていくんだという緊張感が湧きました」と、父と共演した胸の内を明かした。
本木雅弘「肩に手を回された瞬間、私の親としての力みもフッと抑えられて」
「今年の1月2日、私の実家の長屋門の前で撮った1枚です」と本木さん。「近所でいくつか撮影しましたが、今ひとつしっくりくるものがなくて、トボトボと実家に帰る途中、家族に『あ、そこの場所、ちょっと光がキレイ!』と促されて撮影しました」と明かす。
「最初はいわゆる親子らしい姿をイメージして、私が彼の肩に手を回してみましたが、15センチ以上も身長差があるので、『今度はUTAの方からかけてみて』と」と語り、「UTAから肩に手を回された瞬間、私の親としての力みもフッと抑えられて、ようやく2人とも同じところに立てたという感覚が持てました」と父親らしさを覗かせながら吐露。「結果的に自分たちにとっても、新しい時代に向かう、記念の1枚になった気がします」と語った。
普段から細かい父、「だからこそ今回の1枚にたどり着けたのかな」
そしてUTAさんも「『この角度はどうかな?』、『あそこは光がよくないな』とか、父が悩みすごく細かいことまで、こだわっていたのを覚えています。普段から父はそうなのですが、だからこそ今回の1枚にたどり着けたのかなと思います」と父・本木さんへの思いを語り、「普段、肩を組むような関係ではないので、それはちょっとだけ違和感というか…。恥ずかしさもあったので『早く撮ってよ!』と思いました」と、若干照れた様子も。
さらに、本木さんが「スタートラインに立った気がしました。新しい時代を迎え、新しい可能性に賭けていこうという、どの家族も抱くであろう思いが伝われば嬉しいです」と写真に込めた思いを語ると、UTAさんも「忘れられない1枚になりました」と語った。