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決して手を組むべきでなかった4人の男たちが、黄金によって狂わされていくウェスタンサスペンスとなる本作。映像では、「お前らじゃ無理だ!」「全員殺されるぞ」…黄金を狙う敵からの急襲に2人だけで応戦しようとするモリス(ジェイク・ギレンホール)とウォーム(リズ・アーメッド)に、シスターズ兄弟の弟チャーリー(ホアキン・フェニックス)が叫ぶ。
彼らは命を狙われながらもシスターズ兄弟を捕獲したが、その折に別の追っ手から襲われてしまったのだ。ウォームは一瞬ためらったが、圧倒的に自分たちに不利な状況であることを冷静に判断、シスターズ兄弟とともに応戦することを決意し、彼らを捕らえていた手錠を外すことをモリスに促す。
解放された途端、「ボスは死んだ、カネはもらえんぞ やる価値はあるのか?」と無邪気に叫ぶチャーリーと、緊迫する状況なのにどこかこの状況を楽しんでいるような、ニヤニヤと微笑する兄イーライ(ジョン・C・ライリー)。また、偵察係のモリスも、おぼつかない手際ながら初めて自ら身体を張って闘いに挑んでいく。
いつ誰が銃撃に倒れてもおかしくない切迫した状況の中でこそ現れる、“それぞれのキャラクターの人間性”を見事に演じきった4人。それぞれの姿から、ハリウッドきっての性格俳優たちの競演という醍醐味を感じられる映像となっている。
「ずっとアメリカの俳優と仕事をしてみたかった」と語るのは、メガホンをとったフランスの名匠ジャック・オーディアール監督。今回のキャスティングについても「本作のプロデューサーでもあるジョン・C・ライリーがいて、そのあとライリーの推薦ですぐにホアキン・フェニックスが決まって。そして、ジェイク・ギレンホールはとても情熱的だったから、彼もすぐに決まった」と言い、「リズのことは、僕は知らなかったけれど、人から勧められて『ナイト・オブ・キリング 失われた記憶』というテレビシリーズを観て、とても興味深い俳優だと魅了された。それで彼が科学者ウォームの役に決まって、それによってモリス(ジェイク)とウォームの役割が、原作よりもずっと重要になったんだ」と明かす。
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「彼らには映画的な演技というものが文化としてそなわっている。役に関する知識や情報を構築していく。演じるときはそこにとても自覚的だと思う」とも語り、キャストたちの役作りについても絶賛を惜しまない。
本作はイーライ役のジョンと彼の妻で本作のプロデューサーを務めるアリソン・ディッキーがその原作に惚れ込み映画化権を獲得、オーディアールに監督を依頼したことからスタートしたプロジェクト。
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『シカゴ』でアカデミー賞にもノミネートされたことのあるジョンは、「いつもは台本を読むのを先送りしてしまう傾向があるんだが、『ゴールデン・リバー』を読んだ時は24時間で読んでしまったよ。登場人物が身近に感じたんだ。特に、イーライ・シスターズが。彼の、弟チャーリーとの関係が、どこか響くものがあった。僕にも3人の兄弟がいるからね。凄くおかしかったし、西部劇特有の男性的で不可解な要素よりも、感情的な要素が強い作品だと思ったんだ」と、惚れ込んだ理由を語っている。
こうした実力派たちを迎えたオーディアール監督は、愛おしさをにじませるキャラクターの掘り下げなど西部劇ジャンルに新しさを与えたエンターテインメント作品に仕上げている。
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『ゴールデン・リバー』は7月5日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。