ジャーナリストの青年アベルは、3年間同棲したマリアンヌから妊娠を告げられ喜ぶのもつかの間、父親は友人のポールであることから別れを切り出される。数年後、アベルはポールの告別式でマリアンヌと再会。同時にポールの妹イヴからも想いを告白され…。

本作は普段着のパリを舞台に、本当の気持ちを素直に表せない不器用な男と女の揺れる関係を、短編小説のように描いた大人のラブストーリー。2018年・第31回東京国際映画祭「ワールド・フォーカス部門」にて上映され、第66回サンセバスチャン国際映画祭ではコンペティション部門で脚本賞を受賞している。
主演のアベルには、フランスの人気監督フィリップ・ガレルの息子で、俳優としても活躍するルイ・ガレル。本作では監督も同時に務め、監督作としては『ふたりの友人』以来となる。彼は、2人の女性たちの間で右往左往するアベルを「何度も生まれ変わる“いたいけな人”をイメージしました。降りかかる災難をすべて楽しんでしまう人」と解釈し、どこかくすっと笑ってしまうような愛すべき主人公が出来上がった。

マリアンヌ役には、「ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)」や「イヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)」のモデルとして絶大な人気を誇り、フランス全土の市庁舎に飾られるマリアンヌ像のモデルにもなっているレティシア・カスタ。実生活でもルイのパートナーである彼女が、アベルの元恋人役をどのように演じるのか期待が高まる。
また、大人の女性であるマリアンヌに対し、小悪魔的魅力でアベルを翻弄するイヴ役には、いまや世界の若者たちのオピニオンリーダーとなりつつあるリリー=ローズ・デップ。「シャネル(CHANEL)」のモデルとしても活躍中。『Mr.タスク』で女優デビュー後、着実にキャリアを積み重ねている彼女だが、本作では初恋のときめきを鮮やかに演じており、パリジェンヌらしいファッションの着こなしにも要注目だ。

ルイ曰く、「ひとの気持ちはあてにならない」というシンプルなアイディアから出発したという本作。彼は、「文学には短編小説と長編小説があります。わたしは本映画を短編小説のように組み立てたいと考えました。気張らなくて、サプライズがあり、みずみずしい短編小説であり、重苦しい心理ドラマのアンチテーゼでもあります」と語っている。
今回、情報初解禁と同時に劇中場面写真も解禁。美しいパリの日常とともにアベルやイヴ、マリアンヌらのどこか物憂げな表情が切り取られており、3人の恋愛模様はどんな結末を迎えるのか想像を掻き立てられる。

『パリの恋人たち』は12月13日(金)よりBunkamura ル・シネマほか全国にて順次公開。