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【インタビュー】池松壮亮の“俳優道”「コップ1杯の達成感と共に進んでいく」

22歳のときに原作漫画に出会い、連続ドラマの形を成したのは昨年4月。そして、まもなく映画の公開を迎える『宮本から君へ』を、池松壮亮はたっぷりの愛情を滲ませながら「非常に振り回された作品(笑)」と表現する。

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池松壮亮『宮本から君へ』/photo:You Ishii
池松壮亮『宮本から君へ』/photo:You Ishii 全 26 枚
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どんなにやり切っても達成感は同じ「そうやって進んでいく」


「どうしたって、俳優は受け仕事」と言う池松さんは、“俳優・池松壮亮”を1本の線上で語ることを嫌うかもしれない。けれど、近年の主演作だけに目を向けても『夜空はいつでも最高密度の青色だ』があり、『君が君で君だ』があり、『斬、』があり、『宮本から君へ』があり…。太くて濃い線の先にあるものに目を向けたくもなる。

「う~ん、月9ですかね(笑)? それは冗談として、“停滞してたまるか”という気持ちは常にあります。ただ、数年先に『宮本から君へ』があると思ってやってきたわけではなく、1つ1つやって来た先にあっただけで。それはどの作品も同じ。あえて語弊のある言い方をするなら、あまり期待されると困るかも(笑)」。


燃え尽き症候群になることは? こう訊くと、「なりますよ」とあっさり。

「なりますけど、そのままでいるわけにはいかない。宮本になぞらえて言うなら、どんなに頑張っても彼がすべての問題を解決できるわけではないのと同じように、どんなにやり切っても、僕がもらえるのはコップ1杯の達成感。本当に、そのレベルで。撮影が終わった直後ですら、疲弊しながらも“次はどうしようかな?”と考えていますからね。宮本に“勝ち”がないように、僕もそうやって進んでいくんだと思います」。

進むには、「出会い」が重要だとも。では、出会いを引き寄せるためにすべきことは?

「願うこと…かな? 言葉にすると、超簡単ですけど。僕を含め、願わずして奇跡が起こるものだとみんなが思い過ぎているような。待っていても、何も始まらないですからね。長い人生で考えれば、その人にとっての喜びが向こうからやって来ることもあるかもしれないけど。苦労せずして、何かが始まるのを期待するのは間違っている気がする」。


1つの作品と長い時間を共にした。何人もの名監督たちと組んだ。映画賞の授賞式で壇上に上がりもした。走り抜けた分だけ、出演本数が増えた。来年の7月で、30歳。30代を楽しみにしているか? と最後に訊ねると、少し考え込んでから表情を和らげた。

「26~28歳のころは焦っていましたけど。令和にもなっちゃいましたしね。仕事だけでなく、いろいろ楽しみ。それに、宮本をやって熱さをふりまいた奴が、“いやあ、楽しみがなくて”なんて言っちゃいけない。うん、楽しみですよ」。

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《text:Hikaru Watanabe/photo:You Ishii》

映画&海外ドラマライター 渡邉ひかる

ビデオ業界誌編集を経て、フリーランスの映画&海外ドラマライターに。映画誌、ファッション誌、テレビ誌などで執筆中。毎日が映画&海外ドラマ漬け。人見知りなのにインタビュー好き。

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