出演の決め手は「自分に訴えかけてくるものがあるかどうか」
それから7年後、サム・ライリーはディズニー映画『マレフィセント』に出演。さらに5年後、その続編に出演して初来日を果たしたわけだが、こうなる現在を予期していた? と訊くと、「完全に“ノー”だね(笑)」。以前は「俳優が生涯の仕事になることすら想像していなかった」という。
「夢に見てはいたけどね。反省すべきか悩むところだけど、学校の先生の忠告をまるで聞かない子どもだったんだ(笑)。だから、ずっとハリウッドスターに憧れ続けてきたし、実際、19歳のときに俳優を目指した。けれどもうまくいかず、ロックスターとしての成功を望んだ。それも思うようにいかなかった僕が何年かして、映画でロックスターを演じることになった。ちょっと不思議な旅路だよね」。
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すでにドラマティックだが、それでもやはり“ハリウッドスター”とは縁遠かった様子。「『コントロール』が僕の人生を一変させたのは確か。でも、実際は目の前のことで精一杯だったんだ」と振り返る。
「役を生きることに必死だったし、妻となる女性と恋に落ちるのにも忙しかった(笑)。(※共演のアレクサンドラ・マリア・ララと2009年に結婚)でも、完成した作品をカンヌ映画祭で披露したとき、観客の反応がすごくよかったんだ。のちの妻も…その時点で彼女は僕よりよっぽどキャリアを積んでいたのだけど、『これほど祝福されるなんて、滅多にないことよ』と言っていた」。
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「ただし、だからと言って将来についてよく考えるようになったかというとそうでもなく(笑)、僕は出演作を決めるとき、自分に訴えかけてくるものがあるかどうかを指針にする。だから、いままでの作品には僕自身の倫理観が反映されているものが多い。エージェントはそんな僕にイラついているけどね」。