映画鑑賞は「思うほど受け身の行為ではない」
もちろん、そこには大前提として映画への愛がある。
「ノスタルジックな人間だと思われたくはないけど、知らない人たちと暗い映画館で体験を分かち合うのが好きだ。映画は、スクリーンに光が当たっているだけのもの。よくよく考えると、クレイジーだと思わないかい? でも、そのクレイジーなもののために人は集まる。すごく人間的なことだ。一緒に並んで座り、3人だけかもしれないけど(笑)、考えもしなかったことに驚かされ、心を深く動かされ、忘れていたものを思い出す。それが映画の力であり、観客は体験を共有することでつながる。ただし、力の恩恵を受ける努力は観客がしなくてはならない。映画館での鑑賞は、思うほど受け身の行為ではないと思う」。

出演作にまつわるとっておきのエピソードも
お気に入りの映画を挙げてもらおうとすると、「1本に絞るのは得意じゃなくて」と申し訳なさそうな顔に。「その代わり、とっておきの話をしよう」と言い、こんなエピソードを聞かせてくれた。
「新作の『ザ・ライトハウス(原題)』が来月から全米で公開されるのだけど(※インタビュー実施は9月)、出演した理由は、映画館で上映されていた1本の作品にどうしようもなく惹かれたから。映画館の前を歩いているとき、全く知らない作品になぜか興味が湧き、翌日に戻ってきて観たんだ。それがロバート・エガースの『ウィッチ』。観終わった後、僕は『監督に会わなくては!』と思い、連絡を取り、意気投合し、一緒に作品を撮ることになった。これぞ、映画の力だね。ちょっといい話だろう?(笑)」。
