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“異端児”『最後のジェダイ』は必要だった――『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』最高のフィナーレ【SW最速レビュー】

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を観た。素直に「最高のフィナーレ」だった。歴史を誇るサーガの完結編、という看板に正直身構えてもいたが、結果的に42年の時を経て「シリーズ最高傑作」と心から言えるのがうれしい。

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『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(C) 2019 and TM Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(C) 2019 and TM Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. 全 7 枚
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全世界公開を控える『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』を観た。素直に「最高のフィナーレ」だった。歴史を誇るサーガの完結編、という看板に正直身構えてもいたが、結果的に42年の時を経て「シリーズ最高傑作」と心から言えるのがうれしい。

以下、本稿では『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の見どころをネタバレなしで紹介する。本作の最大の魅力はズバリ…「面白い!」ということに尽きる。そりゃ、そうでしょという気もするが、これまでの伏線を回収しつつ、スピーディな展開で新たな発見と興奮が毎秒、毎分押し寄せる。躍動するキャラクターたちと同期した、スリリングな語り口は、再登板となったJ.J.エイブラムス監督の真骨頂だ。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のテンポ感がよみがえっている。

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(C) 2019 and TM Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
本作のキーワードを挙げるとすれば「希望(Hope)」だろう。人々を駆りたて、勇気づける魔法の言葉であると同時に、ときに失望や絶望にも転じてしまう目に見えない力。まるでフォースだ。もちろん、希望という言葉は、原点である『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』に呼応しており、ついにシリーズ全体が希望という輪で結びついた。美しい光景である。

■やはり“異端児”『最後のジェダイ』は必要だった


その上で、シリーズ史上最も賛否が分かれた前作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は、やはり必要な存在だったと断言したい。ライアン・ジョンソン監督が、フォースやジェダイといった“聖域”に鋭くメスを入れ、切り開いた伝説の新たな可能性。それをJ.J.エイブラムスは見事に継承し、活かしきっている。この継承もまた、『スター・ウォーズ』にとって重要な要素だ。

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(C) 2019 and TM Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
確かにピュアで無邪気な『フォースの覚醒』に比べると、『最後のジェダイ』はまるで反抗期に突入したティーンのようでもあった。だが、シリーズの“異端児”として「そもそも、ジョージ・ルーカス抜きで『スター・ウォーズ』映画を作る意味ってあるの?」という疑問に真正面から取り組んだのも事実。だからこそ、『スカイウォーカーの夜明け』には、ある種の成熟が感じ取れるのだ(それはキャラクターの成長とリンクしている)。

■「旧三部作」と「新三部作」の和解、9作品で“ひとつの家族”


『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(C) 2019 and TM Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
ご存知の通り、『スター・ウォーズ』はルーク・スカイウォーカーの冒険と成長を描いた「旧三部作」、ルークの父親であるアナキン・スカイウォーカーが暗黒面に落ちる宿命を掘り下げた「新三部作」、そして2015年に幕を開けた「続三部作」という9つのエピソードで構成されている。

世代や好みの違いによって、これまで「旧三部作」と「新三部作」の間には少なからず分断・断絶・確執があった(前者は昭和、後者は平成に製作された)。そして、令和元年にスクリーンに躍り出た『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は、「旧三部作」と「新三部作」が投げかけた問いに真摯に答え、スカイウォーカー家の運命に見事な決着をつけることで、両者を含めた全9作品を“ひとつの家族”にまとめ上げた。親子の問題を、孫世代である「続三部作」が和解させたのだ。この意義は大きい。

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』(C) 2019 and TM Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.
ファンもまた然り。『スター・ウォーズ』は常に最高だったが、それゆえ求める“希望”も人それぞれ。だからこそ、新作が公開されるたびに賛否・議論・考察が白熱するのだが、そんなコミュニケーションを通して、わたしたちは“ひとつの家族”として、血に勝る絆を深めた。『スター・ウォーズ』が現代の神話といわれるゆえんだ。フォースと共にあらんことを!

『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は12月20日(金)より全国にて公開。

《Ryo Uchida》

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