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『アングスト/不安』を「60回は見た」ファン代表ギャスパー・ノエからのメッセージ

世界各国で上映禁止となった『アングスト/不安』のファンを公言するフランスの鬼才ギャスパー・ノエ監督からメッセージ映像が到着

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世界各国で上映禁止となった、実話を元にしたあまりにも”危険”な衝撃作『アングスト/不安』。この度、本作のファンを公言する『CLIMAX クライマックス』や『LOVE【3D】』の鬼才ギャスパー・ノエ監督からメッセージ映像が到着した。

>>『アングスト/不安』あらすじ&キャストはこちらから

刑務所出所後の殺人鬼=狂人が感じる不安やプレッシャーによる異様な行動と心理状態を、凶暴かつ冷酷非情なタッチと斬新なカメラワークを用いて表現。彼自身のモノローグで綴る構造や全編に徹底された陰鬱なトーンなどで衝撃を与えた本作。

『アングスト/不安』 (C)1983 Gerald Kargl Ges.m.b.H. Filmproduktion
今回到着したのは、本作の大ファンであることを公言し、『カルネ』(91)から『CLIMAX クライマックス』(18)まで、自身の作品で本作へのオマージュを捧げているギャスパー・ノエによるメッセージ動画。これまでの映画製作において強烈な影響を受けたという本作の魅力と、これから劇場で鑑賞する日本人へ向けてコメント。自身が手掛けた作品でないにもかかわらず、ここまで語り、日本初公開のためだけにメッセージを寄せるというのは異例のこと。

公開当時、あまりにもサイコティックな内容にフランスでも上映が禁止され、後に発売されたVHSも極わずかしか出回っていない中、「いままでに60回は観た」と驚きの発言。当時からこの作品に打ちのめされた1人だと明かす。

さらに、世界各国で上映が禁止されたことにより、「この映画は観た人がほとんどいない、全く無名の作品であることもこの映画の魅力だ」と語り、「常に素晴らしい作品が影を潜めていて、再評価されるべきものがある」と本作が再び日の目を浴びることに、喜びと期待をあらわにした。ちなみに、ノエが過去に人生ベスト5 にピックアップした映画は、『アルゴ探検隊の大冒険』(63)、『2001年宇宙の旅』(68)、『イレイザーヘッド』(76)、『ソドムの市』(75)、そして本作『アングスト/不安』だ。


「映画史上最も重要なカメラワーク」


『アングスト/不安』メイキング (C)1983 Gerald Kargl Ges.m.b.H. Filmproduktion
また、ノエは注目すべきシーンとして斬新なカメラワークを挙げ、「見事なテクニックと映像の捉え方は絶対に観てほしいところだ。映画史上最も重要なカメラワークと言えるだろう」と撮影を担当した世界的な映像作家ズビグニェフ・リプチンスキの撮影技術を絶賛。

アカデミー賞最優秀短編アニメ賞を受賞した『タンゴ』やジョン・レノン、ミック・ジャガーのMVで知られるリプチンスキの独特なカメラ表現は、ノエや『ブラック・スワン』監督ダーレン・アロノフスキーにも影響を与えるなど、スリラー映画におけるカメラワークの根幹を築いたともいえる。
ドローン撮影などない時代に、一体どこから撮影したのかと思うほどの高度なショットや俳優の体にカメラを取り付ける撮影手法は、主人公の感じる不安や焦燥を観る者にも感じさせ、そのリアルな表現と芸術性の高さに世界中の映画監督らを虜にした。

配給会社にクレームも…「とても複雑で魅力的」


『アングスト/不安』メイキング (C)1983 Gerald Kargl Ges.m.b.H. Filmproduktion
公開から37年経った現在でも、世界で再上映された例は少なく、この度の日本劇場公開はかなりレア。すでに配給会社にクレームが入るなど、とにかく残虐な殺人鬼映画では?と噂される本作であるが、これから劇場で鑑賞する日本人へ、ノエは「暴力行為を目の当たりにする一方で、加害者(=主人公)からの被害を耳にする。とても複雑で魅力的な映画だ」と単なる殺人鬼映画ではないことを主張。

日本独自のチラシのデザインについて「素晴らしい!」と絶賛、「遂にこの映画史上に残るマスターピースが日本で公開されることを知りとても嬉しく思う」と語っている。

『アングスト/不安』 (C)1983 Gerald Kargl Ges.m.b.H. Filmproduktion
『アングスト/不安』は7月3日(金)よりシネマート新宿ほか全国にて順次公開。

※本作は、1980年にオーストリアで実際に起こった事件を描いております。当時の司法制度では裁ききれなかったために発生した事象であり、本映画をきっかけとして以降大きく制度が変わりました。劇中、倫理的に許容しがたい設定、描写が含まれておりますが、すべて事実に基づいたものであります。本作は娯楽を趣旨としたホラー映画ではありません。特殊な撮影手法と奇抜な演出は観る者に取り返しのつかない心的外傷をおよぼす危険性があるため、この手の作品を好まない方、心臓の弱い方はご遠慮下さいますようお願い致します。またご鑑賞の際には自己責任において覚悟して劇場にご来場下さい。

《シネマカフェ編集部》

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