イタリアの文筆家ジャコモ・カサノバ(1725年4月2日 - 1798年6月4日)の数々の浮き名を流した男の、全てを賭けた恋を描く本作。『マリー・アントワネットに別れをつげて』のブノワ・ジャコー監督のもと、共同製作にはダルデンヌ兄弟も名を連ねている。
18世紀のロンドン。快楽とギャンブル好きで有名な遊蕩児のカサノバは、パリからの亡命を余儀なくされていた。新たな土地で、彼は若い娼婦のマリアンヌ・ド・シャルピヨンと出会い、ほかの女性が目に入らなくなるほど彼女に心酔する。カサノバはあらゆる手段でシャルピヨンを手に入れようとするが、彼女は巧妙にかわしていく。「私が欲しければ私を追わないこと!」とシャルピヨンに挑発され、カサノバはますます彼女に溺れていくが…。
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過去、ドナルド・サザーランドやヒース・レジャーなど、数々の才能豊かな俳優陣が演じてきたカサノバ役を演じるのは、『ティエリー・トグルドーの憂鬱』でカンヌ国際映画祭とセザール賞の最優秀主演男優賞を受賞し、コメディからシリアスまで幅広い演技に定評のあるフランスの名優ヴァンサン・ランドン。
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カサノバが身を焦がすような恋の相手シャルピヨン役には、『ニンフォマニアック』の大胆な演技で鮮烈なスクリーンデビューを飾り、日本公開中の『ポップスター』ではナタリー・ポートマンの姉役を好演するステイシー・マーティン。
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世界的ブランド「ミュウミュウ(Miu Miu)」のフレグランスの広告に抜擢されるなど、ファッションアイコンとしても注目を集める彼女が、劇中ではクラシカルなドレスに身を包み、香り立つような妖艶さでカサノバを終始魅了、翻弄し続ける。
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今回公開されたポスターは、カサノバの背から顔を覗かせるシャルピヨンの物憂げな眼差しがこれから起こる2人の波乱に満ちた運命の恋を予感させ、彼女の妖艶さが際立つビジュアル。
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そして、予告編は、冒頭で過去の女性遍歴をふり返るカサノバが、初めて足を踏み入れたロンドンで出会ったシャルピヨンについて語り出す。自身の露わな姿を見せつけるかのように誘惑的な態度をとりながらも、何度もキスを拒むなど、挑発を繰り返す彼女の虜になっていく初老の男の姿を官能的に切り取っている。
『カサノバ ~最期の恋~』は7月31日(金)よりシネマカリテ、アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺ほか全国にて順次公開。